黒side ページ28
メンバー同士の喧嘩なんてほとんどない俺らが、手を出すような事態になるなんて思ってもみなかった…
それも、手を出しちゃったのは、あのいつも穏やかなあべちゃん…今もなお、俺の腕の中で、暴れて怒りは収まらない様子。
阿部ちゃんが番組の企画以外で怒ることって本当にないから、ここに康二やラウールが居たらトラウマになってるレベルだと思う。
とかいう俺も、結構怖くて、阿部ちゃんを押さえる腕は、力が抜けそうなほど震えてるけど。
青「…俺も、佐久間のことは信じてる…てか、信じたい」
赤「しょうた…」
青「けど、もし、万が一、裏切られてたら…って…そう考えると、なんか怖くて…」
頬に手を当てて俯くしょっぴーの呟くような小さな声が、俺の頭に問いかけてくる…
しょっぴーが見せた動画。
それは、あのブレていた場面が、鮮明に映ったもの…佐久間くんらしき人の手が、女性に伸びている映像だった…
黄「おれさ…佐久間の身元保証人ってやつで呼ばれたんだよな…」
消えたスマホの画面を見つめたまま、岩本くんが続けた…
黄「それって、佐久間が、逃げないように監視する…みたいなものでさ…俺も、警察行くまで知らなかったけど…」
しょっぴーの見つけた動画と、岩本くんの話。
緑「2人とも何が言いたいんだよ!」
阿部ちゃんが声を荒らげるのも、きっと2人の言わんことがわかるからで…
紫「さくまが、やった、ってこと…なのかな…」
それを声にしたふっかさんの顔は
もう感情を無くした人形のように無表情だった…
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作者名:舞雪 | 作成日時:2023年5月5日 0時