信じて… (ページ23)

今日:6 hit、昨日:46 hit、合計:46,949 hit

青side ページ23

もう、その動画の再生も、何度目かのループに入っていた時、ガチャリと遠慮がちにドアノブが回る音がした。

紫「しょぉた…」
青「あれ、起きちゃった？」

その音に顔を上げれば、眠っていたはずのふっかが居た。とりあえず俺の隣に呼べば、ペタペタと怠そうに歩くふっかは、顔色はまだ悪いし、要注意だなって感じ。コイツ、すぐ無理するから。

そう思って、スマホの画面は消して、ポケットに突っ込んだ。今のふっかにこれは見せらんないから…

青「もうすぐ佐久間帰ってくるってさ。照たちが迎えに行ってる」
紫「さく、かえってくんだ…」
青「うん。」

帰ってくる、帰っては来るんだけどさ…

赤「あ、ふっかおはよう」
紫「だてさん、おはよぉ」
赤「温かいお茶、飲まない？」
紫「のもっかなぁ」

寝起きふっかと通常運転の涼太の、なんとも緩い会話を聴きながらも、頭の中は佐久間のことばかり。

ふっかの体にこうやってガタがきてんのは、佐久間のことを思うから。俺ら9人みんなグループのこと考えてるけど、その中でもずば抜けて、メンバーを守りたい気持ちが強すぎんだよね、ふっか。自分のことも同じくらい大切にすればいいのに。

佐久間が悪い立場になればなるほどふっかが参っちゃうのは目に見えてて…まぁ、ふっかに限らずだけど。

紫「だてさん、このお茶おいしいねぇ」
赤「ふふっ、さっきちょっと買い出しに行ってさ。その時に見つけたの。気に入ってくれたなら良かった。」

やっと少しだけ戻ってきたふっかの笑顔を、崩したくはないんだけど…

あと数十分後、佐久間と顔合わせた時、何をどう話せばいいんだろって考えちゃう。

こういう時、あれこれ考えすぎる大人を差し置いて、ズバって思ったことまんま素直に言える最年少がここに居たらなぁなんて考えるのは、俺の"逃げ"なのかな…