黄side ページ11
ふっかの言う通りにふっかの家へ向かった。その間、ふっかも翔太も何も話さなくて、初めてに近いくらい気まずい空気だった。
エントランスについてライトに照らされたふっかを見れば、その顔色は悪いってもんじゃなくて、何かあったことは一目瞭然だった。
お家にお邪魔してローテーブルを囲んで座っても、ふっかは俯いたまま。
青「ふっか、話せる？」
痺れを切らした翔太がそっと声をかけると、ふっかは小さな声でボソボソと話し始めた。
紫「マネージャーからｯ……さくまが…ッさくま、捕まったって」
青「は！？」
黄「捕まったって…警察にってこと？」
コクリと小さく頷くふっかに、唖然とする俺ら。
青「なんで！？」
黄「マネージャーは何て？」
想像もしてなかった事態。
俺も翔太もつい身を乗り出してふっかに詰め寄った
紫「ごめん、マネージャーの話、よく覚えてない、、けど……痴漢だって…」
青「いやいや、ありえねぇじゃん！なにそれ！」
黄「それで？佐久間は今どこ？」
紫「わかんない…」
目の色を失ったふっかは弱々しく首を振り、両手で顔を覆ってしまった。
黄「話してくれてありがとな。少し休もうか。」
そんなふっかを見てるのが辛くて、有無を言わさず寝室へと運び布団を掛けてやった。
青「照、これ」
リビングへと戻るなり翔太が差し出してきたのはスマホ。その画面にはとあるSNSの1つの動画が映っていた。それはもうすでにかなり盛り上がってて、それを見たファンの動揺が広がっていた……
黄「…翔太、メンバーに連絡して。今からでも来れる人は集まろう。」
青「わかった」
幾度となく修羅場を経験してきたはずなのに、こんなことは初めてで…とにかく情報が欲しいとマネージャーに電話した
黄「夜分にごめん、ふっかから聞いたんだけど」
ﾏﾈ『岩本さん、すみません。今こっちも立て込んでて…とにかく事務所判断で明日は全員オフ、こっちもまだ事態の把握中です』
マネージャーの後ろではガヤガヤと忙しない声が聞こえてきて、それだけで、事の大きさが伺えた。
黄「わかりました。深澤、ちょっと限界なんで、何かあったら俺に連絡ください」
それだけ伝えて電話を切った。
青「涼太とめめ、阿部ちゃん来るって。軽く事情も伝えといた。あとは康二たちだけど、今日地方じゃん？どうする？」
黄「ん、ありがと。康二には俺が連絡する」
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作者名：舞雪 | 作成日時：2023年5月5日 0時
