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翌日、金曜日。
ラウールの中学校の前に車を停める。
何となく懐かしい雰囲気を感じながら
校門から出てくる身長の高い男の子を待つ。
『 あ、ラウ〜! 』
一際目立つ男の子が何人かの友達と絡みながら
本片手に出てきたので、一瞬躊躇ったが声をかける。
数秒後“ え?!Aちゃんなんでいるんですか? ”
なんて本人の戸惑いの声が聞こえたけど
“ ごめんね、お友達、ラウール借りてくね ”
と少々強引に助手席に乗せて車を走らせた。
ラ 「 いきなり、どうしたんですか? 」
『 …ん?てかあれやね、
昨日の休み今日なら3連休やったのになあ 』
ラ 「 … 」
『 まあ昨日は昨日で皆でお仕事出来たし良かったけど 』
ラ 「 … 」
『 あ、ラウ、行きたいとこある? 』
ラ 「 …甘いもの、食べたい 」
『 甘いものか、あ、じゃ、いっぱい食べに行こう 』
車を停めたのは前から気になっていた
落ち着いた雰囲気のケーキ屋さん。
パンケーキが無難かもしんないけど受験前に
人の多そうなとこ連れ回す程、鬼畜じゃないんでね。
『 さ、好きなのいっぱい頼んでいいよ 』
ラ 「 え…でも 」
『 いいから、あ、私、このモンブランと
チョコのやつとあ、マカロンも美味しそう 』
『 ラウは?何食べたい? 』
ラ 「 あ、じゃあタルトの… 」
止まらない私に続いてちょっとずつ注文するラウール
カフェスペースで珈琲や紅茶を飲みながら
続々と届くケーキを食べていく。
ラ 「 Aちゃん、それ…一口ください 」
ラ 「 これ美味しい、Aちゃんあげる! 」
ラ 「 やばい!めっちゃ幸せ 」
どんどん敬語も抜けてきて積極的に喋る様になって。
今まで以上の素のラウールが見えてきた。
15歳はまだまだ子供だった。
身体は大きくても全てを抱え込むには小さ過ぎる心。
何があったのかは分からないけどレッスン場でも
ずっと勉強してたし息抜き出来て無かったみたい、
月イチで甘いもの食べに来るという約束をして
ラウールを家まで送って別れた。
Snow Man と書かれたグループメールに幸せそうに
ケーキを頬張るラウールの写真を送っておく。
可愛いとかいいなあとかそんな返事が来る中、
個人の方にありがとう、とお兄ちゃん達から
連絡が来ていた。
ラウ、貴方はひとりじゃないんだよ。
まあ、次の日からラウが私にべったりになったよね。
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ぴぴたん(プロフ) - はじめてコメントします。お話とても面白いです!続き楽しみにしています!! (2020年3月7日 22時) (レス) id: d99e7c35bd (このIDを非表示/違反報告)
咲人(プロフ) - とても面白かったです 続きが気になります (2020年3月3日 20時) (レス) id: 0abd9b4149 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - SnowMan大好きです最高です亮平くんと涼太君と翔太くん寄りのオール担当です更新大変だと思うけど頑張ってください応援してます (2020年2月3日 10時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こっぷ | 作成日時:2020年2月2日 18時