サンタの重岡くん 【 赤 】

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魔法はいずれ解けてしまうもの。

それはそれ以上高望みしないように神様が設定したタイムリミットなんだと思う。

だから、あの時サンタの重岡くんとは別れてしまったし、何なら永遠に会えないのかとさえ思った。





｢…私、彼氏と別れたばっかで、それでサンタさんに出会って…悲しかったはずなのにサンタさんの事しか頭に無かった。

…魔法なんていらない。永遠にいなくならない彼氏の重岡くんがいい…なんて、社会人がメルヘンチックに言う言葉じゃないと思うけ……わッ！？｣




こんなにも真っ直ぐに伝えられたのは初めてだったから、私も同じように真っ直ぐ重岡さんの顔を見て今の気持ちを言葉にする。



普段絶対言わないような言葉達は言い慣れていないせいか、ちょっとこそばゆい。






すると、最後の言葉を言う前に急に横にいた重岡さんから抱き締められる。

重岡さんの腕の中は太陽のような安心するような匂いがした。



｢好き、好きや、ほんまに好き。運命って偶然から始まるもんなのかなぁ。あの時、声掛けてほんまに、ほんまに良かった。｣

｢わ、私も…その、面倒くさがらず対応して良かった…｣

｢あひゃひゃ、ほんまにそうやで！ナンパって！｣





離れた瞬間見えたくしゃくしゃな笑顔は今まで見た中で1番輝いていて、無邪気なその姿にまた1つとくんと心臓が高鳴る。

そういう飾らない所に惚れたのかなぁ。





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