照れ屋な女の子と角名くん。

もしかして。 ページ8

結局試合は、角名くんという人が決めた1点で終わった

すごい試合だったなあ
なんて感動していたら希彩ちゃんが顔を覗き込んできて

「A？どしたの？帰るよー」

そう言って先に歩いていってしまったから、慌てて追いかけた

ギャラリーから下に降りるとちょうど部室に行き着替えるところのようだ

私たちも早く出よう、そう思い少し早足で外に出ようとしたとき


「っ…」

あの、私がかっこいいと思った、角名くんと目が合ってしまった

びっくりして素早く目を逸らしたが角名くんもさほど興味がなかったのだろう、ゆっくり歩いて部室に向かっていった



「Aー？早く帰ろうよー」

入口で突っ立っている私に痺れを切らしたのか
希彩ちゃんが不満そうな顔でこっちを見ていた

やば、ボーっとしてた

「ごめん！」





希彩ちゃんとは帰る方向が同じなので、いつも一緒に歩いて帰っている

「ねえ、そういえばさ」

「うん？」

「…もしかして、角名くんのこと好きになった？」

神妙な面持ちだったからもっと真面目な話をされるかと思ったが、そういうことか

「ああ、かっこいいって言ったから？
あれはただ、プレーがかっこいいなって思っただけだよ」

「ほんとに？Aに好きな人できたら応援しよって思ってたのになあ」



でもよく見たら、顔がどストライクなんだよなあ…


そう思ったことは、希彩ちゃんには内緒にしとこ









明日も見に行きたいな、なんて思いながら
たわいもない話をしながら歩いた

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