照れ屋な女の子と角名くん。

放課後。 ページ6

「A！行こ、バレー部！」

「あ、うん、ちょっと待って〜」

放課後になってしまった。
正直帰りたいと思うけど、希彩ちゃんが行きたいと言っているのだから仕方がない。

「あ、準備できた？行こっか」

「なんや、今日バレー部見に来るんか」

「っ…！あ、うん…」

なんと、まだ教室にいた宮治くんが話しかけてきた。
まあ私にではなく、希彩ちゃんにだけど。

希彩ちゃんは顔を赤くしてしどろもどろになっている。
ほんとにかわいいなこの子。

「…」

宮治の隣には、私の右隣の席の人。
名前は知らない。なんか、怖い。
目が合わないように下を向いた、その時。

「転校生、やったっけ」

転校生。それは紛れもなく私のことだろう。
顔を上げて、少し緊張しながら答えた。

「あ、はい」

「名前は？俺あん時寝てたから知らんねん」

…みんな寝すぎじゃね？

「星野Aです」

「星野さんな、覚えとくわ。じゃあ俺ら行くわ、遅れたら北さんにドヤされる」

「行ってらっしゃーい！」

そう言って宮くんは教室を出た。
隣にいた少し怖い人も宮くんの後ろを着いていく。

「…っはぁ…緊張したあ」

「希彩ちゃんでも緊張とかするんだね」

「そりゃするよ！好きな人の前だったら…」

かわいい。ひたすらかわいい。
恋する乙女、いいなあ。

「んじゃ、行こっか」






宮くんに話しかけられて、名前を覚えてもらえて
少し嬉しい気持ちのまま歩き出した。

感動。→←好きな人。

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