照れ屋な女の子と角名くん。

楽しい。 ページ32

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結局一緒に帰ることになり少し緊張する



｢あれ、そういえばバスケもできるの？｣



無言気まずい…と思っていたときに投げかけられたその質問にどう答えればいいのか分からなくなる


｢ん〜、できるっちゃできる｣

｢なにそれ笑｣

｢部活はやってたけど言うほど…っていうか｣

｢ふーん｣



そう、私は小学生のときバスケ部に所属していた

そこは結構強いとこで、上手い人がたくさんいた

私は兄の影響でバスケを始めたが実力はそこそこで、
試合に出してもらえるのも多くて2クォーターだったのだ



｢自分から出るって言ったけどほんとに期待しない方がいいですまじで…｣

｢…楽しみにしてるね｣

｢今の聞こえてた？｣




わざとだろ、と心の中で思うが自分から出ると言ったのだから相当な自信があると思われているのだろう

自信なんてないのになあ…




｢すなくんはバスケもできるの？｣

｢いや、身長高いから出てくれって言われただけ。やったことないよ｣

｢そうなんだ…｣




身長高いってだけで有利なスポーツってたくさんあるし、角名くんは頼りにされるだろうなあ



｢でもすなくん、なんでもそつなくこなしそうなイメージあるなあ｣

｢そう？俺割とできないことあるよ｣

｢例えば？｣

｢んー…舌でさくらんぼの茎結ぶとか｣

｢それほとんどの人できなくない？｣





割と自然に会話できていて安心した

最初はこの人とは話さずに高校生活終わるんだろうなあって思ってたけど、一緒にいて楽しいし、友達になれてよかったな





ちょうど私の家が見えてきてお別れの雰囲気になる

寂しいな、と一瞬思ってしまって困惑する
なんで寂しいって思ってるんだ…？



｢星野さん｣



｢明日、勝とうね｣


｢…！うん！｣





勝とうね、たったそれだけ、たったそれだけなのに


角名くんに言われると



何故だか勇気が出た






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