5ページ ページ6
オーディションの一次審査から一週間後、ホームページに合格者の受験番号が載せられる日がやってきた
『ひ、開くよ?』
一樹が頷いたのを確認して、震える手でクリックした
そんな読み込みの時間さえも、やけに長く感じる
パッと画面が変わり、"様々な番号"が表示される
325、325
無い
一樹「……」
受験シートと画面を交互に見る一樹
『俺、無いよ…番号』
一樹「俺、も…」
"そんな訳ない"そう思いながら
もう一度ホームページに戻り、"合格者番号"のページを開く
何度やり直しても、表示される番号に変わりはない
(絶対落ちてない)
(何かの間違いだ)
(だって)
(だって俺達はっ…)
__________
「変えようぜ、時代」
『おう』
__________
『俺達はまだっ、』
"何も出来てない"
全身から力が抜けて視界がボヤケてきたとき、一樹に物凄い勢いで肩を叩かれる
『っんだよ…!』
一樹の手を振り払うと、一樹は「これ」と画面を指差す
前を見てもさっきと変わらない画面が映し出されてる
『なんもねぇじゃん、』
一樹「ちげぇって!こっち…!」
パソコンが倒れそうなほど、勢いよく指を押し付けた先にあったのは
『一般…審査結果…?』
一樹「今俺達が見てるのはこっち!」
『EXPG・ジャニーズJr審査結果、』
一樹「一般って、合計で4枠しか無かったじゃん」
『あ、そっか…こんなに合格者がいるわけないんだ』
一樹「多分、こっちが俺らに関係あるやつ」
服の袖でゴシゴシと涙を拭い、再び画面と向き合う
(今度こそ…)
"一般審査結果"をクリックして、"関西"を選ぶ
さっき同じように、円がグルグルと回ってる
『ふぅ…』
パッと切り替わった画面に、深呼吸をして目を向けると
『っ…』
再び受験シートと画面を交互に見る一樹
けど、明らかに違うのは
一樹「…た、ぁ、あった!!!!!」
その目に"悲しみ"や"悔しみ"は無く、あるのは"喜び"だけ
一樹「A……は?」
恐る恐る聞く一樹
『受かっ…てるよ、!!』
涙目で一樹の顔を見れば、一瞬目を見開いた一樹
その後直ぐに、ガバッと抱きしめられた
一樹「よかった…よかったぁぁ!!」
『マジで…マジで泣きそう』
一樹「泣けよ、今ぐらい泣いたっていいだろ」
__________
文字数…
45人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふーか | 作成日時:2023年2月10日 21時