検索窓
今日:8 hit、昨日:4 hit、合計:4,187 hit

2ページ ページ3

『ふぅ…』






お母さんから貰ったミサンガを手首に付け、自分の順番を待つ






背中からは、ダンス用の音楽やボーカル用の音楽が聞こえてくる






一樹は上手くやってるかな






もしかしたら好成績を残しているかもしれない







それに比べて俺は緊張しまくってて…







徐々にマイナスな思考が頭を埋め尽くしていく








こんな時に思い出すのは先輩の声







俺が緊張してる時、いつも気付いて声をかけてくれてた








もちろん昨日も










__________




「A」




『どうしました?』





「オーディションで、もしダメだって思ったら、俺と踊ってる時のこと考えろ」




「そんで、ただひたすら楽しめ」




「わかった?」




『はい!』





__________








「番号325の方準備お願いします!」






スタッフさんから声がかかり、席を立つ





深呼吸をして一歩踏み出すと、不思議と震えは収まった







『うん、大丈夫…!』







「こちらです」







目の前に座って、俺をジッと見るのはテレビで見ていた憧れの人達







ゆっくり自分のペースで指定された位置に立つ







『325番の真田Aです』







『よろしくお願いしますっ!!』







自己紹介を終えると、ダンス用の曲がかかる








色んな音が聴覚を通して伝えられてくる







シューズが擦れる音、曲のカウント、自分の心臓音






ダメだ落ち着け、曲のカウントだけを聞いて…







(落ちつけって…!)







先程収まった震えが戻ってきた







頭の中がグチャグチャで、視界はグルグル揺れている






こんなんじゃ踊れない




そこで頭に流れてきたのは本番直前に言われた言葉






_________




「本番は絶対緊張する」




「だからこそ周りの音が大きく聞こえて、ダンスの邪魔に感じると思う」




「けどそれじゃダメだ」




「だって、思ったように実力が出せないで終わるからね」




『そういう時、どうすればいい?』




「耳に入ってくる音を全部自分の味方にすればいいんだ」



『全部…味方に?』




「うん!」




「そしたら、Aは会場の中で…」






「最強になれるから」





__________








耳に入ってくる音を、全部自分の味方に_______

3ページ→←1ページ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
45人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふーか | 作成日時:2023年2月10日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。