チェンジ 06 : kj ページ6
昨日のバラエティ収録に続いて、今日は冠番組の収録。
メンバーと一緒の仕事が続いてるんが嬉しいから、ご機嫌でツナギに着替えてるところ。
「……康二、それ気付いてるか?」
「へ?」
急にな、ふっかさんから耳打ちされてん。
「太ももの後ろ……キスマークじゃ、」
「うぁあああ、待って! 言わんとって!」
慌てて掌でふっかさんの口を覆うけど、おっきい声出してもうたせいで、一緒に着替えてたしょっぴーと阿部ちゃんがこっちを振り返る。
「どうした?」
「なっ、何も! 何もない……!」
急いで履きかけのツナギを上げようとしたんがあかんかった。
めめが付けた場所は、ほんまは下着でギリギリ隠れるところ。
でも足を上げる動きで、隠れるはずやった肌が見えてしまったみたい。
「わぁ、康二、それ…」
「……めめか」
あああ、もう完全にバレてるやん…!
思わず頭を抱えて座り込む。
「康二、俺たちしか知らないなら大丈夫。
GPの収録とか、着替える時は気を付けてね」
阿部ちゃんが恥ずかしさで蹲る俺の横に一旦しゃがんで立たせてくれる。
優し……。
「…なぁ、なべ。最近サウナ行くの舘さんに止められてる?」
頭を撫でてくれる阿部ちゃんの手に甘えてたら、ふっかさんがしょっぴーに聞いた。
「え…っ、何で知ってんの? 1週間は個室のとこ以外はだめって言われたけど……」
「太ももの後ろ」
「え? えっ、何!? どこ!!?」
自分の後ろ側を確認しようとくるくる回るしょっぴーの太ももには、俺と同じくキスマーク。
「あいつ……もうあの格好できなくさせるっつってたの、これかよ……」
付いてる場所を教えてもらったしょっぴーが、さっきの俺と同じように蹲って阿部ちゃんに慰められてる。
『あの格好』って言うんは、昨日収録したコスプレのことやろなぁ…。
短いスカートとニーハイソックスの間に見えてた、絶対領域に付けてあるもん。
まぁ俺も、リボン巻いてた太腿辺りに付けられそうやったんを宥めて宥めて下着で隠れる位置に持ってったんやけども…。
「ふっか、よく気付いたね」
「え? あ、それはぁ……んと…」
阿部ちゃんの言葉に急に歯切れが悪いふっかさん。
ちょっと考えた後、「俺だけ知ってんのずるいし…」って呟いて、ツナギのジップを下げる。
「ないしょ、な?」
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作者名:すず | 作成日時:2024年2月4日 5時