02 : sk ページ2
「来年からは、愛してるって言う。
…一生言うから。」
大丈夫かな。
声、上擦ってない？
阿部ちゃんの左手を引き寄せて、薬指にキス。
「指輪、一年かけて一緒に選んでほしいんだ。
来年の今日、阿部ちゃんの特別な日に、プレゼントさせて」
最初はサプライズにするつもりだった。
でも、欲張りな俺はそれじゃ足りなくて。
来年までこうして約束で縛って、ゆっくり阿部ちゃんの中に俺の気持ちが染み込んでいけばいいなって。
我ながら、笑っちゃうくらい重いよね。
でもさ。
そんな蕩けた顔で俺のこと自惚れさせるのは、阿部ちゃんだよ。
「…返事、」
「うん」
「する前に、キスして」
なんだろ。このかわいいおねだり。
少し伸び上がって、ちゅってキス。
離れる瞬間、少しだけ唇同士が擦れ合う感触に、阿部ちゃんの吐息が小さく震えた。
「…俺、溶けてなくなっちゃわない…？」
吐息と同じ熱さで、阿部ちゃんの甘い声が零れてく。
「今のキスだけで、こんなに気持ちいいのに…
ふたりで１年かけて、俺が佐久間のものになる準備、するんでしょ？」
とろとろの目して、なんてこと言うの。
間違ってないけど、さすがの理解力だけど、阿部ちゃんそれ、あざといってレベルじゃない。
ごくたまにこういう、リミッターなしのでろでろに甘い阿部ちゃんが現れる。
それだけ今日が特別な日だったってことかも知れない。
「返事はねぇ……ふふ、」
わぁ、その笑顔、かぁわい…。
「はい…喜んで」
プロポーズしたことある世界中の誰よりも、俺の見てる笑顔が１番かわいくて尊い自信ある。
…来年の俺にだけは勝てないかも知れないけど。
「あっ…これ、来年言うやつ？」
「ううん、嬉しい。かわいいは正義！」
ぎゅうって抱きしめて、また２人で笑う。
「阿部ちゃんさ、俺のものになる準備って言ってくれたじゃん」
「うん」
「俺も…俺の全部、阿部ちゃんにあげるから。もらってくれる？」
「うん…佐久間が欲しい」
好きな人に求められる幸せが体中に広がって、指の先までじわぁって滲みていく。
キスの続きをねだる、レアなとろっとろの阿部ちゃんも、同じ気持ちならいいなって思う。
ね、お互いの体温で１回溶けちゃおっか。
１年かけたプロポーズ前夜のはじまり、はじまり。
( 終 )
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29歳のお誕生日、おめでとうございます。
思わせぶりな最後で恐縮ですが、今のところ続きません…。
2022.11.27(2023.01.11 修正)
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すず(プロフ) - なぎしゅうさん» コメントありがとうございます。見つけてくださって嬉しいです＾＾可愛い顔して中身は男の子〜なskさんがabさんにはヤンデレ気味なところと、skさんには遠慮なく小悪魔発揮するabさんが大好きで自家発電しています。よろしければ引き続きお付き合いくださいませ＾＾ (6月13日 5時) (
レス) id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - 初めまして。お話読ませていただきました。数少ないskabで、skは右側が多い中、お話の2人も私のイメージ？というか、好きな雰囲気で一気読みしました。受け身なだけじゃない小悪魔abもab至上主義なskも凄く良きで🥰これからも更新たのしみにしてます。 (6月12日 13時) (レス) @page13 id: dee66be56c (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - みなさん» 見に来てくださってありがとうございます！ skさん、abさんにまた会えるように頑張っているようです💪ぱわー！ (6月11日 12時) (レス) @page13 id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - skabver.キター( 〃▽〃)ありがとうございます。ab氏、これからも保育園に来てねー (6月10日 15時) (レス) @page11 id: 72c8f11476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すず | 作成日時：2022年11月27日 7時
