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さっき涼太の右手のきつねから投げられたキス。
あれからずっと頭から離れなくて、振り入れの終わった今もまたプレイバックしてしまう。
あのキスが届く訳ないのに、ドキドキの名残りすら手放したくなくて、自分の唇を手の甲で押さえた。
「翔太？」
「ん…！？ え、何…っ」
後ろから涼太の声がして慌てて唇から手を離すと、下ろしてた方の手首がいつの間にか涼太に握られてる。
「具合でも悪いのかと思って」
「だ、大丈夫…っ」
首をぶんぶん横に振ったら、涼太は安心した笑顔になった。
「無理しないようにね」
そっと離される手。
今度は縦に大きく頷いて、帰る準備に向かう背中を見送る。
感触を噛み締める時間もなかった手。
これ、さ。
さっきの反対の手みたいに唇で触れてみたい。
だめかな。
涼太に知られたら、引かれるかな。
でも、でも…。
「翔太ぁー？ そろそろ出るよー？」
佐久間の声で現実に引き戻される。
「、すぐ行く！」
家に帰ってから？
そんなの、涼太の感触も熱も忘れてしまう。
ああ、もう！ 迷ってる時間ないじゃん！
握られてた手首を唇にぎゅっと押し当てる。
上がる体温に身体が震えた。
投げられたキスと同じだ。
何も受け取ってなんかいないのに、ひとりで勝手に熱を生む。
こうやって身体中に溜まっていく恋心で、いつか俺はパンクするかも知れない。
滲んだ視界をまばたきで散らす。
鞄を引っ掴んで、みんなの待つ出口へ走った。
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すず(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます！初めて頂いたコメントに嬉しい言葉がたくさん並んでいて、どきどきしています…。また覗いてくださると嬉しいです＾＾ (2022年10月10日 8時) (
レス) id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いきなりコメント失礼します。いつもキュンキュンしながら読ませていただいています。完結おめでとうございます。すずさんの作品大好きです。 (2022年10月9日 16時) (レス) @page48 id: 2fd29c3102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すず | 作成日時：2022年9月4日 11時
