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「康二、あのさ、」
上手く言葉に出来んくて立ち尽くしてる俺の両手を、めめが優しく掬って自分の手で包み込む。
「我慢しなくていいよ」
思わずめめの顔を見上げた。
心の中、見えてるん?
「俺といる時は、我慢しなくていい」
真っ直ぐ言い切れる強さと、
「さっきの康二のきつねのキス、ほんとはすげー嬉しかった。みんながいなかったら、ぎゅーってしてた」
今度は俺のこと溶かしてしまいそうな甘さで、
「康二の思ってることもしたいことも、伝えるのはワガママじゃないから言ってみてよ。俺も、もっと頼ってもらえるように頑張るから」
年下のはずやのに、俺のことほんま上手に甘やかすんよね。
嬉しい、って。
そういうとこ好き、って。
カメラ回ってたり、笑ってくれる誰かが近くにおったら、勢いで言えんねんけど。
めめ本人には口籠もってしまって、伝えたいことは結局言えへん。
俺らしくないのは、分かってんねん。
でも、どうしてもあかん。
恋って、厄介やなぁ…。
「家で、」
「うん?」
「家帰ったら、言う」
なぁ、こんな俺でも、ずっと好きでおっていい?
これ、頑張って言えたら、ぎゅーってしてな。
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すず(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます!初めて頂いたコメントに嬉しい言葉がたくさん並んでいて、どきどきしています…。また覗いてくださると嬉しいです^^ (2022年10月10日 8時) (レス) id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いきなりコメント失礼します。いつもキュンキュンしながら読ませていただいています。完結おめでとうございます。すずさんの作品大好きです。 (2022年10月9日 16時) (レス) @page48 id: 2fd29c3102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2022年9月4日 11時