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「お疲れさまー。…あれ？ 翔太、どうしたの？」
ドアを開けるなり、阿部ちゃんが首を傾げる。
「舘さんの写真にノックアウトされたの」
「何それ、かわいい…俺もその写真見たい！」
こらこら、目キラキラさせないの。
急いで着替えに行った阿部ちゃんの足音に、しょっぴーがちょっとだけ顔を上げた。
「佐久間は、もう見たの」
「俺？」
「阿部ちゃんの」
「まだ…どこだっけ」
えーっと……あ、あれだ。
「わ、阿部ちゃんだけ連写だ！」
横位置の写真が４コマ漫画みたいに縦に４枚並べてある。
「俺、見ていい？ …１枚目からもう、あざとい警察に要請かかりそうなんだけど」
確かに、阿部ちゃんお得意の顎に人差し指当てるやつ。
佐久間くんが手に持った写真をじーっと見つめる。
「何か言ってんのかな。…ちゅー、し、て…？」
上３枚で１音ずつ、最後の１枚で目を瞑って人差し指にキス。
「そっか、佐久間くんそれ、ちゅーしてポーズだ！」
「えっ、それ選ばれたの…！？」
僕の声に、戻ってきた阿部ちゃんがびっくりしてる。
「1人だけ連写なの、わざとじゃなかったの？」
「…いや、カメラマンさんに、“juicy”だと思う台詞は？って聞かれて、『君彼』の…えと…佐久間の台詞が出てきて…」
言いにくそうな阿部ちゃんと、にっこにこの佐久間くん。
「えへへ、うれしー。俺のこと思い出してくれたの？
ねぇねぇ、阿部ちゃん、…ちゅーして？」
にっこにこから悪戯っぽい笑顔にシフトして、佐久間くんが台詞を再現した。
「えっ」
一瞬たじろいだ阿部ちゃんが、きゅって唇結んで佐久間くんを見る。
何言ってんの、って、焦る阿部ちゃんが見たかったんだよね？
でも阿部ちゃんは、写真の４枚目と同じように人差し指を唇に当てて、その指を佐久間くんに向けた。
そのまま唇にぴとって。
「これでいい？」
ちょっと恥ずかしそうに目を逸らす阿部ちゃんに、今度は佐久間くんが突っ伏した。
「ふはは、返り討ちにされてんじゃん」
代わりにしょっぴーが復活する。
「翔太、俺にも舘さんの写真見せて。
わっ、ねぇこれ、めっちゃ良くない…？」
「俺、暫くその写真見れないから、いい」
「何かわいいこと言ってんの」
ちょうどその時、ドアが開いた。
「舘さんだ」
「お疲れ。あ、写真見てるんだ」
さっきの『間接キス』発言を思い出したのか、しょっぴーもまたすぐ佐久間くんと同じ姿勢に戻っちゃった。
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すず(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます！初めて頂いたコメントに嬉しい言葉がたくさん並んでいて、どきどきしています…。また覗いてくださると嬉しいです＾＾ (2022年10月10日 8時) (
レス) id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いきなりコメント失礼します。いつもキュンキュンしながら読ませていただいています。完結おめでとうございます。すずさんの作品大好きです。 (2022年10月9日 16時) (レス) @page48 id: 2fd29c3102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すず | 作成日時：2022年9月4日 11時
