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「…照、明日お前のが早いんだから、もう寝よ」
「早いから、ふっかのこと充電させて」
見上げてくる目が細められてるのは、眠いからだと思いたい。
段々心臓の音がうるさくなってきたところへ、腰に回された手が借り物のTシャツの裾から入ってきて、素肌をなぞる。
「ひ、かる…っ」
ポーカーフェイスなんかできない。
照の前だと、俺、何か上手くいかなくて…、
「……その顔は、俺しか知らないんだよね?」
「ふぇ…?」
体を引いた照が、そこで急にさっきの満足そうな笑顔に戻るから、変な声が出た。
「今日…いや昨日、撮影してる時のふっか、めっちゃいい顔してたじゃん…みんなのとこに届くのが惜しくなるくらい。
だから、誰にって訳じゃないけど、ちょっと妬いてた」
そんなこと考えてたの…。
「でも、こうやって俺だけのふっかが見れるって確認できたから、いいや。
よし、寝よ」
「え、と…うん?」
ひとりすっきりした顔の照に椅子から引っ張り上げられて、そのまま寝室へ連れていかれる。
照のこと、泣かせるとか言ったから?
ばちが当たったのか?
「おやすみ」
電気を消して、同じベッドの中、抱き枕みたいに後ろから腕の中にホールドされてる。
「いや、寝られるかぁ!」
「うるさい。明日辛くなるよ」
誰のせいだと思ってんの!?
自分だけ、すっかりいつもの調子でさぁ…。
朝、俺絶対むくんでるけど、お前のせいだからな!
寝息たてて寝始めた照が心底羨ましかった。
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すず(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます!初めて頂いたコメントに嬉しい言葉がたくさん並んでいて、どきどきしています…。また覗いてくださると嬉しいです^^ (2022年10月10日 8時) (レス) id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いきなりコメント失礼します。いつもキュンキュンしながら読ませていただいています。完結おめでとうございます。すずさんの作品大好きです。 (2022年10月9日 16時) (レス) @page48 id: 2fd29c3102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2022年9月4日 11時