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シャッター音の合間にちらっと翔太を窺うと、指先に唇が触れないぎりぎりの位置を上手に保ったまま、カメラに集中しているように見えた。

唐突にその整った顔立ちが揺らぐのを見てみたくなって。

小指をそっと下唇に落とした。

びくっ、と肩を揺らした翔太と、撮影が始まって初めて目が合う。

戸惑って瞬きする翔太に満足して頬が緩んでしまったから、そのまま笑顔を返しておいた。

「翔太、カメラ見て」

はっとした翔太がきょろきょろ目を泳がせた後、戸惑いを残したままの表情でカメラに目線を戻す。

さっきまでのきれいな翔太もいいけど、今の表情の方が好きだな。



「はい、OKです」

カメラマンさんの声と同時に、目の前の唇が指を咥えた。

指先が甘く痺れて熱を持つ。

「仕返し?」

なんて、ふざけて聞いたら、唇を離して恨めしそうな一瞥。

「甘そうな指してるのが悪い」

「ああ、マニキュアか」

「……そう」

答える翔太とは、また目が合わない。

いつの間にか赤く色付いたその耳が、白い肌とのコントラストに映えて、よっぽど甘そうで。

思わず伸ばした手の行き場がなかったから、らしくもなくテーブルに置いたままの翔太の手を取った。

「行こう」

「涼太…っ」

無意識の名前呼びにまた頬が緩むけど、後ろから着いてくる翔太には見えないだろうから、いいか。

スタジオを出るまでのほんの少しの距離、恋人の真似事がしたくなったって言ったら怒るかな。

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すず(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます!初めて頂いたコメントに嬉しい言葉がたくさん並んでいて、どきどきしています…。また覗いてくださると嬉しいです^^ (2022年10月10日 8時) (レス) id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いきなりコメント失礼します。いつもキュンキュンしながら読ませていただいています。完結おめでとうございます。すずさんの作品大好きです。 (2022年10月9日 16時) (レス) @page48 id: 2fd29c3102 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すず | 作成日時:2022年9月4日 11時

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