Tunes : きゅん

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こうして、１日１回、照が俺の手にキスすることになった。
会えない日の分は、次に会えた時にまとめて。
期間は照の次の誕生日まで。

その内、キスしてる時間が長くなってきて、唇を完全に離すまでが一回っていう追加ルールも出来た。

手のきつねにキスされた時はまだ、ちゅってしてワンカウントだったのに。

別に手にキスするくらい、って油断してたことに後悔し始めた頃にはもう遅い。

手って意外と敏感で、触られ方次第で結構煽られる。

しかも回数重ねる毎に、『照に手を取られること』イコール『キスされること』って身体が覚え出してて、これ、危ない気がする。

後、照がキスしてるところ、間近で見れちゃうっていうオプションも付いてんだよなぁ…。

総じて俺の冷静さは、もうゼロなの。




MV撮影で他のメンバーの出番を見てる間、照とラウールと３人、円卓の上で並んで座ってた。

男３人並ぶと結構くっついて座ることになるから、後ろ手についてた俺の手と、ラウール挟んで向こう側の照の手とが割と近くて。

指先に照が触れた。

「ねぇ、ふっか、いい？」

い、今？ 今キスすんの！？

「…だめ」

そりゃそうでしょうよ。

「なんで」

ほらもう、すぐ拗ねる。

そんなのでかわいいとか絆されたりしないからな。

「…後で」

その一言が余計でした。

だって照、にやっとしたもん。
狙ってやがったな…。

「後で、ね…どうしよっか？」

今までタイミングとかやり方とか、俺に聞いてきたことない癖に。
思わせぶりに微笑まれて動揺する。

「べっ、別に…照の好きなようにすればいいじゃん…」

真ん中に座ってるラウの背中越しだったんだもん…冷静にとか、無理だよ…。

早く話を切り上げたくてテンパった俺のこの返事のせいで、今、好きにされてる訳です。

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