花に落ちる雪の雫は美しく響る (ページ6)

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3.二人を繋ぐものページ6

ホクトが勇気を出してリョウヘイに声を…

かけられていればよかったのだがホクトの人見知りも筋金入りのもので、二人が教室へ着いたのは終業のベルがなる30分前のことだった。

その日の放課後、遅刻したことにより罰則を受けることになった二人は滝沢のもとへ呼ばれていた

滝沢「まったく、二人して迷子とは．．．今回は初日だから軽いもので済ますが次回からはそうはいかないよ？」

リョウヘイ・ホクト「すみません．．．」

滝沢「ま、お互い次回から迷わないよう“友人”をつくるといい。それじゃあ、これ頼んだよ」

滝沢はそう言うと罰則用の箒磨きのセットと授業で使用する箒を置いて出て行ってしまった

ホクト「はぁ、」

ホクトは人見知りの癖してリョウヘイをほっておけなかった自分の余計な情けに重たい溜息が出る

それでも罰則は罰則なので箒磨きセットを手に取り無言で手を動かしていた

リョウヘイ「あの～．．．これってどうやって使うの？」

ホクト「へ？」

リョウヘイ「あ、いや、その、、、本では見たことあるんだけど、実際使ったことはなくて．．．」

リョウヘイの一言にホクトは目を丸くした

姿くらまし(免許がないと使えない瞬間移動のようなもの)ができない未成人の魔法使いにとって箒は自転車のような役割を果たし、少なくとも一家に一本はあるもの

その箒のメンテナンスの仕方を知らないのは、自転車の空気の入れ方を知らないも同然のことだ

目を丸くしたまま動かないホクトにリョウヘイは眉を下げて続けた

リョウヘイ「僕、マグルなんだ。だから使ったことなくて、、、」

そう聞いてホクトは謎が解けたように「あぁ」と声を漏らす

リョウヘイ「ごめん、、、」

ホクト「．．．なんで、謝るの？」

リョウヘイ「だって、僕がマグルだから．．．」

魔法界にはホクトやミユのように親族代々魔法族の“純血”と呼ばれる者

ラウールのように魔法族とマグルの血が混ざった“半純血”の者

リョウヘイのように親族に魔法族の血を持つ者を持たない完全な“マグル”の者がいる