花に落ちる雪の雫は美しく響る (ページ5)

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滝沢「村上真都ラウール」

いよいよ自分の番になり、ラウールは飛び出そうな心臓を空気もろとも飲み込んだ

帽子「おやおや、今日1番の緊張具合だねぇ、、、」

しかし、椅子に座るや否や帽子に言い当てられてしまい、周りからはクスクスと笑い声が聞こえ、ラウールは今すぐにでも消えたい気持ちにかられる。

ふと、水神寮のテーブルにいるミユをみると目が合い、“ガンバレ”と口を動かしているのが分かり、ラウールは一つ大きく深呼吸すると、真っ直ぐ前を向きなおした

帽子「おや？緊張が消えたようだねぇ。どうやら既によき友を見つけたようだ、、、それなら共に切磋琢磨するのが良いだろう。折好く、知識を学ぶ意欲もある、、、“水神”！」

ラウールは魔法界のことを何も知らない自分が知性、知識、智恵を重視する水神寮に選ばれたことに驚いたが、ミユと同じ寮に入ることができ、心底安心し、顔をほころばせた

リョウヘイ「はじめまして。入学おめでとう。水神寮、寮長の阿部亮平です。よろしくね」

ホクト「監督生の松村北斗です。よろしく」

ラウール「村上真都ラウールです。よろしくお願いします。」

ミユ『ラウール！同じ寮でちょっと安心したわ。よろしくね』

リョウヘイ「あれ？二人は知り合いなの？」

コテンと首をかしげる寮長は、男性なのだがなんだか守ってあげたくなるほどの可愛らしさがある

ラウール「あ、僕が何も知らないからいろいろ教えてもらってたんです。そしたらすっかり仲良くなって、、、だからもう友達です。ね！」

ミユ『ま、まぁ、、、』

リョウヘイ「ふふ、そうなんだ。よかったね、早速友達ができて」

ラウール・ミユ「はい」

そう答える二人を見て、リョウヘイは自分がここへ入学してきた時のことを思い出していた。

頭は悪くなく、勉強もむしろ好きなほうだったリョウヘイは何の迷いもなく水神寮へ分けられた。

しかし、極度の方向音痴で初めての授業へ行く際、広い校内で迷っていた。

その一方、ホクトは完全迷子になっているリョウヘイに気が付いてはいたが、極度の人見知りがゆえに声をかけられずにいたのだ