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ジュリが小包を解くと小さな箱が出てきた
ショウタ「”親愛なるあなたへ”ってラブレターかよ。お前また口説いたの？」
ジュリ「いや俺さすがに三学年以上下には手だしてないぜ？」
ラウール「それより、箱の中身なんなんですか？」
ジュリ「あぁ開けてみるか」
出てきたのは小さな小瓶と銀紙に包まれたものが２粒入っていた
ショウタ「…なんだこれ」
ミユ「フェリックス・フェリシスに似ている気がするけど…」
ショウタ「フェリ…なんだって？」
ミユ「フェリックス・フェリシス。幸運の液体です。その名の通り飲めば最高の１日になるっていう」
ジュリ「へぇ、じゃあこれ飲めばその日１日中女の子と遊べるってわけか」
ラウール「ジュリくんってそれしかないんですか」
ジュリ「まぁお前もそのうち分かるって」
ショウタ「あ、でもミユはやめとけ。身近に手を出すと後で痛い目みるぞ」
ジュリ「こっちの銀紙は…チョコレートだな。でもラズベリーの匂いがする」
ショウタ「なんだそれめっちゃおいしそうじゃん」
ジュリ「一粒やるよ。ラウもいるか？」
ミユ「まって！それ食べないほうがいいかも…」
リョウヘイ「ミユの言う通り」
今にも口の中に放りこみそうなショウタは驚いた拍子にチョコレートを落とし落胆する。
リョウヘイの声がしたほうに顔を向けるとGrandeurのメンバーが全員こっちを向いていた
ヒカル「誰かも分からないやつに、それも何かもわからない薬品と一緒に入っていたチョコなんて俺でも食わない」
タツヤ「アベちゃん、これ何か分かる？」
Grandeurメンバーの中でも薬品学に詳しいリョウヘイがチョコと小瓶を確認する
リョウヘイ「チョコのほうは惚れ薬で間違いないだろうね。こっちは…」
小瓶の液体を一滴、テーブルの上のクロッカスの花びらに落とす。すると液体が触れた瞬間に枯れ落ちて行ってしまった
リョウヘイ「生ける屍の水薬。本当に強力な眠り薬だよ。この小瓶一本飲んだら永遠に目を覚まさなかっただろうね」
ジュリ「まじかよ…」
ホクト「これはジュリ宛に？」
ミユ「はい。2時間目の授業の前月光寮の女生徒にジュリくんに渡してほしいって」
ヒカル「これは明らかにジュリを狙った事件だ。念のため、解決するまで全員一人行動は避けるように」
リョウタ「愛したことを後悔している」
ショウタ「え？」
リョウタ「クロッカスの花言葉だよ。二人とも、気を付けてね」
Grandeurには似つかない静けさにリョウタの言葉が妙に残った
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作者名：てんてん | 作成日時：2020年11月28日 1時
