花に落ちる雪の雫は美しく響る (ページ14)

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6.狼人間ページ14

雲ひとつないとある日の夜

Grandeurには今日も、全員集まっており、ラウールはジェシーにクディッチを教わり、1年生の勉強では飽き足らないミユはレンに教科書をかり、勉強をしていた。(レンはそんなミユに勉強を教わっている)

そんないつもと変わらない光景が広がっている

ただ、ひとつを覗いて。

ラウール「ねえ、どうしてサクマくんとキョウモトくんはそんなにくっついてるの？」

部屋の1番隅、1人か2人座れるくらいのソファにピッタリとくっついて座るふたり

そんな2人をみてラウールは疑問をぶつけずにはいられなかった

ダイスケ「えー？俺たち仲良しだから！ね！キョモ！」

タイガ「…うん」

そんな質問にあっけらかんと答えるダイスケと、どこか浮かない顔のタイガ

タツヤ「あーもうすぐあの日か」

ヒカル「そうだな。なあ、サクマ。2人には話しといた方がいいんじゃないか？」

ダイスケ「うーん…まあ、いきなりだとびっくりしちゃうもんね、いいよ話すよ。いいよね？キョモ」

優しく微笑みかけるダイスケをみて、タイガは一瞬浮かない顔をしたもの渋々うなづいた

ダイスケ「実は俺っち、狼人間なんだ」

ラウール「狼人間？」

ダイスケ「そう」

ミユ「もうすぐあの日ってもしかして…」

ダイスケ「うん。満月が近いんだ。だから2人を驚かしちゃうかも」

突然のカミングアウトに空いた口が塞がらないミユとラウール

暫くの沈黙が続く

シンタロウ「いきなり言われてもびっくりだよね！でも俺、何も知らずに変身したとこみたからもっとびっくりだったよ！でも、狼になってもサクマくんかっこいいんだぜ？ちょっと凶暴だけどね！」

そんな空気を変えようと口を開いたのはGrandeurではダイスケに次ぐムードメーカーのシンタロウだった

ラウール「へー！それはなんかみてみたいかも。」

タイガ「だめっ！」

ラウール「え？」

普段は優しくおおらかなタイガの叫びに再び静寂が走る

タイガ「だめ。あの日のさっくんに近づいたらだめだから。絶対」

ダイスケ「まあまあ、キョモ、それはみんな分かってるから。落ち着いて。ね？」

黙って俯いてしまうタイガ

ダイスケ「ま、確かにその日の俺っちに近づくのは危険だし、誰も近づかないのが俺っちも嬉しいかな」

ダイスケ「だから、寮長諸君！今月も頼むでやんす！」

明るく笑い飛ばしたダイスケだったが、その横のタイガは小さくなり、どこか浮かない表情のまま俯いていた