Maybe.Ⅲ (ページ10)

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　しょっぴーは潤んだ瞳で目黒先生を見ている。あー、もし選ばれなかったら泣いてたな……これ……。

「よし！目黒、行くぞ！俺の素晴らしいICを見せてやる！」

「はい」

　しょっぴーは元気を取り戻した様子で、病棟から出て行った。

「康二、IC誰か入ろうか？大事なやつだよね？」

「そうやな……しょっぴーじゃ心配やし……俺、入りたいけど、患者さんほかっとけんし……」

「俺、行きます」

　2人で処置の準備をしながら悩んでいると、病室に顔を覗かせたケンティーが声をかけてくれた。

「ケンティー、ええんか？入室は……」

「入院は終わりました。バイタルも次、1時間後でまだ時間があるので大丈夫です」

　ケンティーは爽やかな笑顔でそう言う。

「じゃあ……お願いしてもええか？」

「はい。任せてください」

　ケンティーはそう言うと、先生たちの後を追って行ってしまった。
　俺たちが深澤先生の指示に従いながら動いている間に、他の部署の先生が見に来てくれた。

「大丈夫？」

「あ！三宅先生！」

　康二は先生の姿を見た瞬間、顔を歪めて泣きそうになる。

「おいおい、大丈夫か？」

「大丈夫じゃないですよ……しょっぴーと俺が組むと、いっつもこんな感じなんです……」
　
　