Maybe .II (ページ9)

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　体を屈めて、出口に落ちた商品を取る。そして、佐久間先生の前に差し出した。

「え……」

　佐久間先生は目を点にして、瞬きをしている。

「ほら、あげるよ」

　佐久間先生は呆然としたまま、フィギュアを見つめている。

「……いいんですか？」

「うん、そのために取ったんだから」

　だって、すごく欲しそうにしてたじゃん。それに、普通は欲しいからクレーンゲームをするんでしょ？

「深澤先生！ありがとうございます！」

　佐久間先生は満面の笑みで笑いかけてくれる。
　あーそんな風に笑ってくれると、もっと取ってあげたくなるな……。

「おう、あとは？何取って欲しい？」

「え！？いいんですか！？」

「うん」

　佐久間先生は目をキラキラとさせている。
　素直だなー。感情が手に取るように分かる。

「えっと……じゃあ、今度は隣のフィギュアを……」

「了解。任せて」

　俺は佐久間先生に頼まれた通り、隣の台へと移動した。

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