Maybe .II (ページ6)

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宵闇に映る花びらはページ6

side.fk

　今日は待ちに待った休みの日。そんな日にやることなんて決まっている。

「今日はどこに行こうかな」

　クレーンゲームをするために出掛けるのだ。

(この前は近くのゲームセンターに行ったから……)

　今回は、家から割と近くにあるショッピングモールへと行くことにした。そこには、たくさんのクレーンゲームがあって、少し難易度が高めの台も設置されているからだ。

「ん？」

　ゲームセンターへと行くと、ある台の前に見知った後ろ姿が見えた。

「佐久間先生？」

　佐久間先生は横や斜めからクレーンゲームの中を覗いて、アームを操作している。

「行け！行け！」

　アームは商品の真ん中へ来るように操作され、そのまま商品に向かって降りて行った。
　あー、あの感じだと取れなさそうだな。

「ああー……」

　俺の予想通り、アームは商品を掴むことなく空を切った。

「えー、どうしてだろう……」

「あー、そんな取り方しちゃダメだよね～」

　俺が声を掛けると、驚いた顔をした佐久間先生が振り返った。

「ふ、深澤先生！？」

「よー、お疲れ」

　俺は口角を上げて笑うと、クレーンゲームへと目を移した。ほとんど動いていないフィギュアがそこにはあった。
　
　