Maybe .II (ページ50)

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「増田さん、救急病棟の看護師です。少しの間、ここで入院になるので、よろしくお願いします。今から着替えをしたり、熱を測ったりしていきますね」

「はい……お願いします……」

　増田さんは痛そうに顔を歪めている。移動した時に、配慮したがやはり痛かったのだと思う。

「増田さん、こんにちは」

　そこへしょっぴーが入って来た。今は入院の準備をしないといけない時だから、あんまり邪魔してほしくないんだけど……。

「今回、担当します。渡辺です。お願いしますね。バイクに乗ってて、車に横からぶつかったんでしたっけ？」

「はい……」

　しょっぴーが患者さんと話している間に、俺たちは点滴のテープを貼り替えたり、体温を測ったりしている。

「ぶつかったのは右側ですか？左側ですか？」

「右……です」

「右ですね。今、痛いところはどこですか？」

「えっと……肩と足……です」

「肩と足ですね」

　俺たちが患者さんが動かせる範囲で服を脱がしていると、しょっぴーがそれを覗き込む。まあ、確かに気になるわな。俺も服を捲りながら、患者さんの皮膚を見る。左側の肩と足に大きく擦りむいたような痕がある。皮が剥がれて、少し血が滲んでいる。
　
　