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 救急外来の看護師がストレッチャーで患者を部屋まで運ぶ。俺はストレッチャーに近寄って、運ぶのを手伝う。

「ちょっと隣のベッドに移るんですけど……移れそうですか?」

 ストレッチャーを病室のベッドに近付けながら、患者さんに尋ねる。

「……ゆっくりなら……」

 患者さんは顔を歪めて嫌そうにしている。そりゃそうだよね……痛いもん。だけど、仕方ない。ベッドには移ってもらわないと困る。

「ゆっくり横向きますね。あ、ちゃか! 足、お願いできる? 折れてるから気を付けて」

「はい!」

 入院を手伝いに入ってくれたちゃかと共に、患者を横に向けてストレッチャーからベッドに移る時に使うスライダーのような板に患者さんを乗せる。

「隣に移りますね。まず、真ん中まで移動します」

「はい」

「せーの」

 掛け声に合わせて、力を合わせて途中まで移動する。
 患者さんは痛そうに顔をしかめている。

「大丈夫ですか?」

「大……丈夫……です」

 だいぶ痛そうだけど……患者さんは気を遣って、大丈夫と言ってくれる。

「今度はベッドまで行きます。せーの」

 タイミングを合わせ、なるべく振動がないように患者さんをベッドまで移した。
 救急外来の看護師さんと康二は外に出て、患者さんには聞こえないように申し送りを始める。その間、残りの看護師は病院専用の病衣に着替えたり、バイタルサインを測定したりしていく。
 
 

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設定タグ:雪男 , 6音 , BL   
作品ジャンル:タレント
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作者名:かなみ | 作成日時:2021年2月7日 21時

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