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＊ ページ39
「ペースメーカーを植え込むのか。まあ、安静制限はちゃんと守れてるし、しっかりしてる人だから事故抜去をする危険性はなさそうだね。ペースメーカーを植え込むと、普段の生活で制限も出て来るけど……それも大丈夫そうだし」
一緒に患者さんを見ていた医師ーーふっかは患者さんのカルテを見ながら話をする。
「うん。理解も良好だし、俺もそこは心配してない。今はテンポラリーが入っているから、自覚症状もなくて、本人はペースメーカーを望んでいるし、手術にも前向きだよ」
2人で話しながら、ふっかはカルテに記載をしていく。
ふっかは俺より2年上の先輩で、出会った当初は何となく医者のくせに無気力でチャラそうだから嫌だなって思ってた。けど……話すと、意外といい人だった。それから、彼とはよく話すようになって、呼び捨てとタメ口でいいと言われるようにまでなった。今では、俺の仲のいい友達で同僚の1人だ。
それが、俺が研修医1年目で、ふっかが3年目で呼吸器に配属されたばかりの時の話だ。今では2人とも、救急病棟専任の医師に抜擢されるまでになった。ふっかは呼吸器、俺は循環器の担当。
だから、病院に出勤して救急病棟に行くと、いつもふっかと一緒に患者さんたちを見て回っている。仕事でもプライベートでも、よく一緒にいる中だ。
だから気付いたのかもしれないが……最近、ふっかの様子が少しおかしい気がする。
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作者名：かなみ | 作成日時：2021年2月7日 21時
