Maybe .II (ページ24)

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＊ページ24

　
「え？」

　隣のきょもが唐突に聞いてくる。
　俺と阿部先生が知り合ったのって……ええっと……。

(あれ？そう言えば、いつだったっけ……)

　言われてみれば、どうして知り合ったのか覚えてない……俺の記憶力が悪いからか……。

「……」

　向かい側の阿部先生は黙ったまま、俺の方を見つめている。

(まずい……)

　ここで、もし阿部先生と初対面した時が違っていたら、とても失礼だし……もしかしたら、阿部先生を悲しませてしまうかも……。

(思い出せ……思い出すんだ……)

　記憶を辿って、阿部先生と今までどんな会話をしたか死ぬ気で思い出す。

「あ……」

　待て待て待て。きょもの質問は『どこで初めて会ったか』じゃなくて、『どうして阿部先生と知り合いになったか』だよ。意味が違うよ。いや、同じ意味なのか……？とにかく、綿密に覚えてなくても大丈夫そうだ。

「えっとね……確か、俺が救急病棟の夜間当直をやって……それがやっと終わって……えーと……」

　雲行きが怪しい。グチャグチャになり始めた頭を必死に整理する。

「うーんと……その時に、阿部先生が声掛けてくれたの……かな？」

　なんか最終的に、初めて会った時のことを話してしまった……。
　チラッと阿部先生の顔色を伺う。阿部先生は穏やかに笑っている。
　
　