Maybe .II (ページ3)

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「……そうだったんですね」

「うん」

　車の外を見ると、見覚えのある景色が広がっていた。

「あ、深澤先生。そこのコンビニで大丈夫です。あとは歩いて帰れます」

「分かった」

　深澤先生はコンビニの駐車場へと入り、車を止めた。

「ありがとうございました」

「うん。こちらこそありがと」

　深澤先生はにこりと笑ってくれた。

「あ、ねぇ……佐久間先生、ちょっと聞いてもいい？」

「何ですか？」

　車から降りようと、ドアノブに手を伸ばした時に深澤先生に呼び止められた。

「……佐久間先生って、彼女いるの？」

「……ええ！？」

　また大きい声を出してしまった。

「い、いないです……けど……」

「そうなんだ」

　な、なんなんだ……いきなり……深澤先生って突拍子もないな……。

「……そう言う、深澤先生は……」

「ふっか」

　え？いきなり言われた言葉に頭が追いつかない。

「ふっか。ふっかって呼んでよ。もう、クレーンゲーム友達でしょ？」

「な……」

　先輩に向かってそんな口の聞き方……俺には絶対に無理……。
　それでも、目の前にいる先生は真剣な目で見つめてくる。うう……そんな目をされたら、呼ばざるを得ないじゃないか……。
　
　