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「……そうだったんですね」
「うん」
こんな話、阿部ちゃんくらいにしかしたことないな……。
気付くと、佐久間先生の家の辺りに来ていた。
「あ、深澤先生。そこのコンビニで大丈夫です。あとは歩いて帰れます」
「分かった」
コンビニの駐車場へと入って、車を止めた。
「ありがとうございました」
「うん。こちらこそありがと」
佐久間先生は目を細めて笑っている。少しは打ち解けれたかな? あ、そう言えば……。
「あ、ねぇ……佐久間先生、ちょっと聞いてもいい?」
「何ですか?」
車から降りようと、ドアノブに手を伸ばした佐久間先生を呼び止めて気になったことを聞いた。
「……佐久間先生って、彼女いるの?」
「……ええ!?」
よく通る声が車の中に響く。
「い、いないです……けど……」
「そうなんだ」
その答えを貰うのに何故か、とても緊張した。
「……そう言う、深澤先生は……」
「ふっか」
思わず口から出た言葉。無意識に、佐久間先生に呼んでほしいと思った。
「ふっか。ふっかって呼んでよ。もう、クレーンゲーム友達でしょ?」
「な……」
佐久間先生は固まっている。でも、ここでやっぱなしなんてカッコ悪すぎる。自分の言動に自分で焦りながら、涼しい顔を演じてやり過ごす。
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作者名:かなみ | 作成日時:2021年2月7日 21時