Maybe .II (ページ13)

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　確かに車道はいつも混んでる。俺も毎朝、同じ時間に出ているけど、早く着きすぎたり遅刻ギリギリになったりとバラバラだ。電車ならその心配はない。
　話している間に、駐車場に着いた。俺は車の鍵を開けて、車に乗り込んだ。佐久間先生は車の外で突っ立っている。

「乗りなよ」

「……はい」

　佐久間先生は大人しく車の中に乗り込んで、助手席に座る。

「お願いします」

「うん」

　佐久間先生がシートベルトを締めたのを確認して、車を発進させる。

「佐久間先生、最寄駅どこら辺なの？」

「えっと……」

　佐久間先生は周辺にあるお店や最寄駅を教えてくれた。俺はそこの地域に詳しいわけではないけど、大まかな場所は把握できた。
　その後、車を運転しながら佐久間先生と少しお話をした。自転車で駅まで行ってる話は面白かったな……思い出すと、また笑えてきてしまう。

「そう言えばさ、佐久間先生はどうして医者になろうと思ったの？」

　ふと思って、隣で俺の方をぼーと見ていた佐久間先生に聞いた。

「……え？」

　佐久間先生は驚いた声を上げた。
　まあ、そりゃそうだよね。いきなり聞かれたらびっくりするよ。

「……俺、小さい頃……すっごく体が弱くて、病気ばっかしてたんです」
　
　