私じゃダメですか ページ37
Aside
「翔、太…、好き…。」
『…っ、ありが、とう。』
今まで翔太と過ごしてきて、そういう雰囲気になっても。
翔太は絶対に手を出さなかった。
先輩のことを信じているから。
いつも嬉しそうに話す翔太は昔見た笑顔とは違った。私には見せない、私には似つかわしくない笑顔。
でも、今回は限界だった。
「翔太…？どうしたの…？」
夜遅く、何も言わずに突然家にやってきた翔太。普段ならメールぐらいしてくるはず。
「…っ…！」
私はすぐに抱きしめた。
涙ぐむ翔太を見てられなかった。
今までこんなことで泣かなかったのに。
「ねぇ…やめてよ…。そんな風に泣かないでよ…。」
私は抱き締める力を強くした。自分の気持ちを抑えられなくなったから。
「ねぇ…なんでよ…。」
『ごめん…。』
翔太は傷ついてるのに、余計悲しませて何してんだ。
でも無理だよ。これ以上嘘付けない。
「翔太…好きだよ。ずっと。ずっと好きだった。でも分かってる。先輩が居ることぐらい。いい加減気づいてよ…。」
『うん……ごめん。ありがとう。』
その後、お互いに抱きしめながら泣いた。
そのまま、引き寄せられるように寝室へ。
「翔太…好き。」
『うん。』
「好き。」
『うん。』
「翔太…好きだっ、た…。」
泣いた顔を隠すようにキスをする。
「しょ…た、まだあの人のこと…」
『うん…忘れられない。すごい、好きだった…。
俺、あの人のこと、大切にしてたのに…。なんでだよ…。わかんねーよっ、…。』
「翔太…。私、幼稚園の頃から好きだった。でも、もうやめた方がいいんだよね？いい加減、忘れないとだよね…？」
『…っ。』
意地悪な質問でごめんね。
「しょーた。大好きっ…。」
最後にもう一度、抱きしめた。
『ありがと、う。俺、けり付けてくる…っ。」
「うん…。」
そう言って、シンと静まり返った部屋。
まだ夜中なのに…目が眩しいや。
「翔太…大好きだよ…。」
彼の居なくなった静かな部屋で
私は静かにそう呟いた。
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たび(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます！そう言っていただけてとても光栄です。励みになります！これからも頑張ります!! (2020年3月5日 18時) (
レス) id: 44e0ae782d (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 話作るのがうまいですね。きゅんとしまし (2020年3月5日 18時) (レス) id: 973944fe26 (このIDを非表示/違反報告)
たび(プロフ) - 美紀さん» 本当ですか！？ご期待通りのお話が出来たかは分かりませんが、喜んでいただけて光栄です！ (2020年2月10日 19時) (レス) id: 44e0ae782d (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 阿部ちゃん書いてくれてありがとうです最高でした (2020年2月10日 9時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
たび(プロフ) - 美紀さん» 分かりました！ (2020年2月9日 20時) (レス) id: 44e0ae782d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たび | 作成日時：2020年1月25日 1時
