灯台もと暗し (ページ6)

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？「A！！！」

「…え？…あ…」

健「誰だよお前！」

辰「Aの彼氏。人の彼女に何してんだよ。」

健「は？こいつの彼氏は俺だよ。笑」

辰「じゃあ、なんでAがそんな泣いてんだよ。お前のやってること、ただの犯罪だから。」

健「ふざけんなよ！勝手なこと言ってんじゃねぇよ！」

辰「ふざけてんのはどっちだよ！彼氏だろうが無かろうが、女の子泣かしてんじゃねぇよ。」

健「何、格好付けてんだよ。笑」

辰「………ごちゃごちゃ言ってねぇで
さっさとAを離せよ。警察呼ぶぞ？」

健「…ッチ、こんなやつこっちから願い下げだよ。」

辰哉の圧にビビったのか捨て台詞を吐いて

健太は出て行った。

辰哉のあんな怖い顔と声初めてだった。

「…辰哉。」

辰「大丈夫…な訳ないよな。
腕もすぐ解くから近付くけどいい？怖くない？」

私がゆっくり頷くと自分の着てた上着を羽織らせて

さっきとは全く違う優しい顔で縛られていた腕を

優しく解いてくれた。

さっきまでの恐怖と安心感で辰哉に飛びつき

子どもみたいに大声で泣いた。

「怖かった…こんなことになるなんて思わなかった。辰哉、本当にありがとう。」

辰「俺も無理やりにでも送れば良かった…
でもAは本当に見る目ないよな！わら」

私を和ます為にいつもみたいにバカにしながらも

優しく頭を撫でてくれて、心地良かった。

やっぱり、私にとって辰哉が1番落ち着いて

頼れる存在なんだなって改めて感じた。

辰「俺からのLINEに気付いて指示通りにしてくれたから、助けに来れたのよ。ほんと良かったわ。」

「あ、そうだよ！あのLINE！謎でしか無かった」

辰「ちゃんと説明する。だからさーとりあえず
俺の上着羽織ったままでいいから着替えておいで？わら」

辰「あ、そのままお風呂も入っておいで！
気持ち悪いでしょ？」

「…うん、入ってくる。」

今の自分の格好わかってる？って言われて

自分がどういう状況下にいるのか思い出し

慌てて着替えを手にしてお風呂に向かった。

辰「…よく耐えた。俺。さすがにやばいわ。」

なんて、辰哉が呟いてたなんて知らずに。