灯台もと暗し (ページ25)

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辰哉side--------------------

買い出しも終わって少し早めに家に着いた。

未だに、猫なで声が頭に残ってるから

早くAの声が聞きたくて仕方ない。

でも、あかりは迎えてくれたのに

肝心のAが来てくれなくて少しへこむ。

じゃあ、あかりがAに、声掛けると

いつもよりしおらしくなったAが

「お、おかえり。蓮くん…辰哉。」

って呼んでくれて、ニヤけそうだったけど

Aの様子がやっぱりおかしい。

なんか、顔が真っ赤な気がする。

絶対、なんかあったんだと思ってなるべく

優しく説いただそうとしたらあかりと目を

合わせてこんなこと言ってきた。

A「…で、電話の時、後ろの方から女の人の声が
聞こえちゃって、モヤモヤしたから電話切った。
…………ごめんなさい。」

え、今なんて？アイツの声が聞こえて

モヤモヤした？ん？え、それは…え？

言われると思わないセリフにわかり易く

動揺していると

A「ほら、困らせちゃったじゃん。
言わなきゃ良かった…」

ってしょんぼりするA。

いや、いや、いや！困ってんじゃない。

都合のいい様に解釈しようとしてる自分を

抑えてるだけなんだよ？

あかり「ちょ、なんか言ってあげてよ。
わっかりやすく動揺なんてしないでさ。笑」

「…困った訳じゃないし、怒ってもないし
ただ、そんな反応するAが可愛くて…」

「…もう！そんな真っ赤な顔にしてさ
ヤキモチ妬きました！みたいな事言われたら俺の都合のいい様に解釈しゃうじゃん…」

言っちゃったよ…ここ何年も抑えてたのに

一瞬でも口に出したら止まらなかった。

あかり「Aも固まらないの！なんか言ってあげなよ。笑」

A「ヤキモチ妬いたのは事実だし…
つ、都合のいい解釈してもらっていいです…」

「…まじか、やばい…かぁいい。」

あぁもう、なんでこの子はこんなに

可愛いのよ。そんな真っ赤な顔して。

蓮「あかりどういうこと？」

あかり「Aが自分の気持ちに気付きました。笑」

蓮「なるほどね。あいつちょっとは
役立ってんじゃん。笑ね、ふっかさん。」

「そうだな。…嫌いは嫌いだけど」

蓮「あ、あかり買い忘れたものあるから
着いてきて。」

あかり「…さすが。だそうなのでA
行ってくんね！」

目黒、あかりありがとう。気を利かせてくれて。

めちゃくちゃ嫌な日だったけど

今までで1番最高の日になりそうだわ。