6月の花嫁

10日目 ページ10

長いといっても15分くらいだったのだろうか？



それでももう私の脚が鉛でも付いてるんじゃないの？ってくらい重くなって走ってるっていう感覚さえなくなった時空き教室でユンギを蒔こうと隠れていたら頭にいきなり激痛が走った



意識してなかったからか意識しているよりも格段に痛む頭を抑えながら加害者であるユンギを睨めば逆に睨まれ思わず縮こまった(私弱いな…)






「てめぇこの頃俺のこと避けてんだろ？」


「…な、なんのことだかぁ〜？」


「惚けても無駄だぞお前のことはまるっとするっとお見通しなんだよ」


「(山田…？)」


「…勝手に避けてんじゃねぇよ」





コテンと私の肩に頭を預けてきたユンギにぶっきらぼうに放たれた言葉とは対照的な弱々しい行動に思わずドキっとする






「…お前がいないとつまんねぇだろ」


「…ユンギ…」


「…パシリもいないと辛い」


「ちょっと？」





聞き捨てならない言葉を言われユンギの頭を押せばフッといつも通りのユンギが私のことを鼻で笑っていて相変わらずの腹立たしさに思わず溜息が漏れる





「…まぁでも本当にお前がいないと寂しい…からさ…早く戻ってこいよ」


「…」





全く自分勝手だ、この男は



完全に自分のことしか考えていないユンギは昔から全く変わってない



本当自己中なやつ





…そう思うのに



いつもバカにしたように人を見下すユンギが本当に寂しそうな目で私を見てるもんだから無意識に私の首は縦に動いていた




ミン・ユンギ



本当に彼は恐ろしい



思えば私のことを見て満足そうに目を細めたユンギを見たあの日から私はユンギの底なし沼に完璧に後戻りできないほどにハマってしまったに違いない



.

11日目→←9日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す