6月の花嫁

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最初はウエディングドレスは何にしよう！？とかハネムーンはどこに行く！？とか今とはまた違った意味で子どもみたいだったA



昔から何事も全力で！スポーツマンシップ大事！正々堂々！みたいな熱血漢ならぬ熱血女だった訳だからそんな結婚式の段取りを楽しそうに決めるAを一歩後ろから下がって見てるのはまぁ中々楽しかった





…のがいけなかったみたいだ



長年一緒だったから言葉にしなくても大抵分かる、Aなら分かってくれる



そうAに絶対的な信頼を寄せすぎていたために、Aの中で頑張りという頑張りがキャリーオーバーしてしまったらしい



一昨日くらいから喜怒哀楽の起伏が激しいAは大分情緒不安定で今日だけでも16回怒って12回泣いた



あまり感情を表に出さずに自分の言いたいことも上手く言えない普段のAからしたらこの事態は大分緊急事態であって当の本人も自分の異常さに大分戸惑いを感じているみたいだ





「ユンギ…私病気になっちゃったのかな…？こんな私とユンギ結婚しない方がいいんじゃない…？」





この質問は5回目



自分の中での違和感にどう対処すればいいか分からないのは分かるがあまりにもAが弱々しすぎて溜息をつく





「大丈夫だから泣きやめ。ほら、お前の好きな入浴剤入れていいから。出血大サービスでアロマでもなんでも焚いていいから、だから泣きやめ」


「んん…」





俺に促され脚を引き摺るようにしながらお風呂場に向かったAを見てもう一度大きく溜息をつく




…俺が何とかしてやるべきなんだよな





彼氏らしさのかけらもない自分を奮い立てさせながらAを横目で見送った



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