▼ ページ27
Aside
今玲於くんの声したよね？
助けてほしい…
凛は今どうしてるんだろ。
あっ また玲於くんの声…
和樹「おいっ！さっきの誰なんだよ！」
A「…。」
和樹「てめえ…俺から逃げて次の男か？」
A「違うっ…痛っ！」
和樹に腕を更に強く掴まれた私は抵抗もせず後を追っている。
抵抗して大きい声出して逃げようかとも考えた。
でもそんなことしたらおじさんにも奥さんにも迷惑かけるし、それに…凛に何かあったら大変。
和樹「タクシー乗るぞ！」
A「わかった…。」
言われるがままの私は和樹と共にタクシーに乗った。
和樹は行き先を運転手に伝えると早く出せと荒々しく声をあげた。
A「どこそれ…」
和樹「俺こっちに友達いるんだよねー」
A「…。」
和樹「お前がさっさと俺のとこ戻ってこねーから悪いんだかんな？」
A「私にはなにしたっていい…けど、凛にはやめて絶対！約束して！」
和樹「まぁ あいつは俺の子だからな！考えといてやるよ！」
不吉な笑みを浮かべる和樹。
さすがに父親なんだから凛には手出ししない…と信じたい。
ちょうど信号で止まったタクシー。
私は逃げ場のないこの空間でやるせなさを感じていた。
凛…スマイル弁当のおじさん奥さん…結愛ちゃん…修斗くん…店長…
玲於くん…
隼くん…
昨日楽しかった…
ありがとう…
やっぱ私凛と東京でやり直すとか無理だったんだ…
和樹からは逃げられない…
私はもう…
ドンドンドンドンドン！！！
A「えっ？」
玲於「A？A？」
窓越しにいたのは汗だくになり息を切らしながら力強く叫んでいる玲於くんだった。
玲於「おいっ！お前なにやってんだよ！」
和樹「なんだこいつ！お前の男か？」
A「…知らない。」
和樹「は？お前の名前叫んでんじゃんこいつ！」
A「だから知らないって！！！」
玲於「…。」
悲しそうな顔をしている玲於くんを横目に私は知らない振りをした。
玲於くんまで巻き込むわけにいかない。
けど、気づいたら私は泣いていた。
玲於「A！A！」
玲於くん…
私なんかのために…
昨日会ったばっかだよ？
なんで…どうして…
信号が青に変わった。
タクシーがゆっくり動き出す。
私は精一杯の笑顔で玲於くんに口パクでバイバイと言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rin - 、さん» ご指摘ありがとうございます！フラグ外しました。気づかなかったので助かりました！ (2018年7月27日 23時) (
レス) id: 00d2954d0c (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月27日 19時) (レス) id: cc2ff1026e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Rin | 作成日時：2018年7月27日 19時
