１８.4人の愛情 ページ2
センラside
ご飯の時間にAちゃんを呼びに行った｡
けれど､何度呼んでも返事がない｡嫌な予感がして部屋に入ると―Aちゃんはいなかった｡代わりに窓が開いていて､机の上にノートの切れ端が置いてあった｡
"ごめんなさい､たくさん傷つけて､ごめんなさい"
｢絶対に一人にしないって､笑顔を守るって､決めたのに…！｣
字は震えていた｡僕はその切れ端を握りしめて急いで部屋を出た｡
｢センラ､Aは？｣
｢窓から､外に…！探さなきゃ､じゃなきゃまた…｣
｢なんで､なんでなん?!｣
｢それより早く行くで！｣
外に出て､うらさかは聞き込み､しませんは街の方に｡
｢センラ､向こう探して！俺こっち探すから！｣
｢分かった！｣
帰宅する人たちの流れに逆らって走った｡…必ず､見つけるから…！
しまside
A､どこ行ったんや｡俺らが悪かったんか､なぁ｡どうして､いなくなるんや…｡
どんなに探してもAは見つからない｡Aが行きそうなところは全部センラと手分けして回った｡…あとAが行きそうなところは､あそこだけや！―俺たちとAが初めて会ったあの場所へ走った｡
案の定､Aはそこにいた｡
｢A…！どうして急にいなくなんねん！どんだけ探したと思ってんねん！｣
必死にAを掻き抱いた｡
｢志麻さん､離してください…！｣
｢嫌や！絶対に離さへん！…かったし探してもおらんし､ほんまに死ぬるかと思ったやいか！今､おまんを離したら､またどっかに行ってまいそうで嫌や…｡もう､どこにも行かんでや…｣
｢……なんで､なんでそんなに優しくするんですか？私は､志麻さんのこと､皆さんのこと傷つけたのに…！私なんかに優しくしないでくださいよぉ…｣
そう言いながらAは顔を埋めて泣いた｡…罪悪感､か｡でもどっかで探して欲しかったんやろうな｡
｢もう､大丈夫やから｡おまんが悪いことなんてなにもないよ｡Aはいつも優しいから､優しくしてるんや｡…また､帰ってきてくれるか？｣
落ち着けるように頭を撫でてやると､Aは腕の中で頷いた｡
｢お帰り､A｣
****
あの､続き書こう！と思ってきたら､お星様に度肝を抜かれました｡9.7とか本当にありがとうございます！すごく嬉しいです！頑張っていきたいと思います！
かったしは､片っ端という意味です｡
本日はXYZ大阪､そして､浦島コラボ上がりますね！とっても楽しみです！
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作者名：４６猫 | 作成日時：2019年3月20日 16時
