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北斗を送り出してリビングに戻ると、携帯にメッセージが入っていた。
京本久しぶり。時間あったら会いませんか?
差出人に懐かしさを覚えつつ、すぐに返信しようと既読を付けた瞬間に着信画面へと変わり少し動揺しながら指をスライドさせた。
『…もしもし？』
____Aちゃんって車運転出来たっけ？
『、はい？』
久しぶりだというのに突拍子も無いことを言う京本くんに、昔のことを少し思い出して何とも言えないような不思議な気持ちが私を包んだ。
彼に指定されたのは空港で、出口付近に車を寄せて辺りを見回すと視界の端に懐かしい金色が見えた。窓を開けて手を挙げると、彼はサングラスを外してこちらに向かって来た。
久しぶり、というそんな言葉さえ要らない空気感と以前見たよりも穏やかに微笑んだ京本くんを見て月日の流れを感じるのだ。
「ありがとう、助かった」
『旅行…にしては軽装すぎるけど、今はあっちに？』
「そう、ミュージカルの勉強してる」
昔公演のチケットを半ば強引に渡されたこともあったな、なんてまた記憶の破片が胸に突き刺さる。
京本くんと今一緒にいるなんて、あの人はどう思うんだろうって。その考えを吹き消したくて、私はまた口を開いた。
『どうしてこっちに？』
「風磨が結婚して家建てたらしいから、見に来た」
『そっか。風磨くんすごいね、まだ若いのに』
「で、Aちゃんはどうなの？」
そう、こちらを一瞥もせずに吐き捨てた。これも私が話しやすい様にしてくれる優しい彼だからこその行為なんだろうと思いながら先日の出来事を話し出した。
『実は樹に会ったの』
「へえ。話したの？」
『いや、産婦人科に奥さんといたから』
「え、風磨から来たハガキには樹はフリーだって書いてあったけど？」
『…でも、産婦人科に女の人といたんだよ？奥さん以外に……』
「、あー。もしかしてその女の人ってこの人？」
京本くんが差し出したハガキに映る写真には風磨くんと例の女性が仲睦まじく写っていた。
「多分風磨の奥さんだよ。
アイツ忙しいから頼んだんじゃない？付き添い」
『そっか、』
私には関係のない事なのに一喜一憂している自分がいるのを京本くんに見透かされていて、情けなく思うのだ。
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：絹(プロフ) - みなさん» ありがとうございます〜(/ _ ; ) 期待に応えられるようにがんばります◯ (2019年8月4日 0時) (
レス) id: c52fa03a53 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 何回読み直しても飽きないです^_^ (2019年8月2日 1時) (レス) id: fa95af4103 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 更新待ってました！ (2019年6月22日 16時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 更新していただきありがとうございます！ずっと待ってました！ (2019年3月7日 11時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
さやめめ(プロフ) - 私もとてもショックを受けましたが、またこうして更新をしていただき有難いです。とても楽しみにしていました、これからも応援しています。 (2018年12月1日 15時) (レス) id: 0eff97111c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絹
| 作成日時：2018年4月2日 19時
