双離 (ページ17)

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「今日廉がさ～、」

昨日と同じ帰り道、昨日と違う隣、怜央はいつも通りに今日あったことを教えてくれる。左手のお弁当が入っているかばんが妙に軽く思える。妙にそれが気になって怜央の話が通り抜けて行く。

「……A、聞いてる？」

『へ、？』

「今俺誰の話してた？」

『…顕嵐、くん？』

「ブッブー、廉でしたー！」

いつも通りの怜央に安堵したのか、銷沈したのか。答えはどちらともイエスで。今私の変化に気付いてしまったら隠し通せる自信がなくて、でも気付いて欲しくもあって。矛盾という言葉が私によく似合っていた。

「今日さお母さんいないんだ、ご飯食べに行ってもいい？」

『、いいよ』

よくこうやって何かと理由をつけて無理矢理家に入ってきた時もあったな、と思い返す。あの時怜央がそばに居てくれなかったら、きっと私はこの世界を終わりにしていた。唯一の希望は貴方だけだった、今までもこれからもそうだと思っていたけれど。

『何食べたい？』

「らーめん！」

『、材料あるからオムライスにするね』

えーっと口をムッとさせながらも次の瞬間には笑顔でリビングのソファーに座っている。いつもの定位置。テレビがよく見えるソファーの端。何だか行儀よくご飯を待つ子供みたいで愛おしく思える。

「美味しそう！いただきます！」

『ちゃんとよく噛んでね？』

「おいひーはらふぁやくたへたひの！！！」

よく噛まずにすぐ飲み込むのも、喉に一回はつまらせるのも、昔から変わらない。誰よりも美味しそうに食べる姿に、昔から変わらない姿に頬が緩む。

「…全然違う」

『、え？』

「お昼もオムライス食べたけど、全然違うね」

「Aの愛情がたくさん入ってる、から美味しい」

「ありがとう」

私は、この笑顔を守らなきゃいけないんだ

私にはその義務があるんだ

他に優先するものなんてない

そう、言い聞かせた

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久しぶりの更新になり、すいません、、、
墜烙の方が完結しましたので、こちらをメインに更新して行こうと思います！

ツイッター開設しました、
占ツクではなかなか読者様と繋がりにくいので気軽に絡めればいいなと思い始めました！
@sn____slx

名前も沙那から：絹に変えました ◯

これからもよろしくお願い致します。

沙那改め：絹

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