【暗殺教室】君のことを見つけた【杉野友人･赤羽業】

＊20＊ ページ21

「…………無理だよ、野球部と俺らじゃ力の差がありすぎる」


「…………！」


その言葉に、みんなが現実を思い出したような顔をした。



何で？

この前、野球が好きだって言ってたじゃん。

力の差があるのは確かだけど……





「それでも！杉野くんは野球が好きなんでしょっ？」




気がついたらつい口にしていた。

沈黙が逆に痛い。

杉野くんを見ていた目は、瞬時に私へ移り変わる。


「……っ、ごめん──────」






「…そーだよ、お前仮にも元野球部だろ！！」

え……？


「仮じゃねーよ！？」


「野球バカは頭もバカになったんか！！」


「っんな！？」


あちこちからヤジと物が飛ぶ。

そこに、見兼ねた殺せんせーが介入。



「まあまあ、それくらいにしといてあげましょう。
つまり、みんなが言いたいのは……杉野くん、君を頼りにしている、ということです。
ですよね、西内さん？」



「へ……あ、はい！もちろんです！」


「だってよー杉野。やるしかないんじゃない？」


カルマくんが杉野くんに、改めて向き直る。
ニヤッという笑み付きで。




「…………わーったよ、俺だって勝ちたいんだ。
E組と一緒にな！野球が好きだから。
だからっ……！」




「だから、先生もその心意気に応えましょう！！」



いつの間にか、野球ボールのような顔にユニフォームを着た殺せんせーが、彼の語尾を引き取る。


その一言で、クラスみんなの顔が輝いたのが分かった。

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