検索窓
今日:13 hit、昨日:30 hit、合計:15,424 hit

*18* ページ19

空いていた二つのブランコに並んで座る。

聞かないほうがいいかな。



でもね、やっぱり……






「ねえ!……あのことって」


「ん、そうだったな。話すよ」


杉野くんは、淡々と語り出した。





「俺はさ、野球部のエースだったんだ。もちろん向こうの世界で。
でも、ある日俺はエースを降ろされた」


少しも表情を変えずに続ける。


「さっき見たろ?遅いんだよ、俺の球。西内が多少ボーっとしてても反応できるくらいな」


「……うっ」


「それでも必死にやってきた。
だけど、周りにはもっと凄い奴がいて、その時思ったんだ。
好きなだけじゃどうにもならないって。
しかも、その後俺は事故でっ……」


その時初めて、彼は眉をピクリと動かした。


「……いや、とにかく。俺はこっちにいれば、下手でも大好きな野球ができるし満足なんだよ」



めんどくせーよな、俺。

苦笑いする杉野くん。


その顔がとても辛そうに見えて、なんとか助けたいと思った。

変だよね、私には何もできないのに。

だけど、杉野くんが辛そうなのは嫌なんだよ。


でも、私はなんとか笑みをひねり出すことくらいしかできなかった。

何も言わなかった。



いや、何も言えなかったんだ。



.



.



.



.



『杉野、お前にはエースを降りてもらう』


「え……!!」


その瞬間、周りの景色が一気に変わった。

悲鳴のようなクラクション音と眩しい光、体に感じた強い衝撃。
そして聞こえた、


『野球しか取り柄がないくせに』

『エース降ろされちゃったんだー。スタメンじゃなくなるのも時間の問題だね』

『カッコ悪りぃー』



そこで、俺の意識は途切れた。



.



.



.



.



嫌なことを思い出した。

昼間、西内にあんなことを話したせいか。

俺は額に滲む汗を拭い、数センチ開いていたカーテンを閉めてから、再度布団に潜った。

*19*→←*17*


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
設定タグ:暗殺教室 , 杉野友人 , 赤羽業   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鬼灯(プロフ) - 桃花紅さん» 聞きたいことがあったら書いてね! (2015年11月16日 19時) (レス) id: 0e7de1bf96 (このIDを非表示/違反報告)
桃花紅(プロフ) - 鬼灯さん» わかった!!!では、またー(o´∀`o)ノ (2015年11月16日 7時) (レス) id: 5e0fd11b7e (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯(プロフ) - お久さ〜ツイッターのことで、訳ありでできないんだ…受験勉強のことはノーコメで。あのあとちょとツイッター除いたら、名前変わってるやんって思ったわ。 あと話すときはここで。宜しく!! (2015年11月15日 22時) (レス) id: 0e7de1bf96 (このIDを非表示/違反報告)
桃花紅(プロフ) - 鬼灯さん» おおお、ホントに久しぶり!!!受験勉強どんな感じ?私、Twitterの方の名前が変わってるから気づかないかも…。今は「ちすけ」って名前になってるよ! (2015年11月15日 10時) (レス) id: 5e0fd11b7e (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯(プロフ) - お久しぶりです!地獄の補佐官です← やっと戻って来られた^^; 見たら返事ちょうだい。 (2015年11月10日 22時) (レス) id: 0e7de1bf96 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桃花紅 | 作成日時:2015年7月19日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。