【暗殺教室】運命のいちご煮オレ【赤羽業】

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「なんだ、寝てたのか」


安心した。何か大変なことがあったのかと、半ば本気で思ったから。

こんなにたくさん勉強してるんだ……さすが。


熟睡しているのか、近寄っても彼は起きない。

室内に入ってきた風の冷たさに、私は思わず身震いした。


もう、秋なんだから窓はちゃんと閉めなきゃ風邪ひくよー、と聞こえてないだろうけど口に出す。


窓を閉めてから、改めてカルマの方に向き直った。

青白い月光に照らされた彼の赤い髪。

切れ長の目と男のくせに綺麗な顔立ち。

今まであんまり考えてなかったけど、カルマってこんなにかっこいいんだ……。

この人と、離れるかもしれない。

そんなことになったらどうしよう。

あーやだやだ、暗いことばっかり考えるな自分！


「カルマ、ねえカルマってば！起きてよ、まだ夕飯食べてないんでしょ！」


なんだかいたたまれなくなり、耐えきれず、カルマに声をかけた。


「ん、え……A？」


「そうだよ。カルマ、夕飯食べないで寝てたでしょ」


「あ、食べんの忘れてた」


ははっ、と笑いながら目をこすっている。


「不法侵入？」


「……違う」


ふざけてるカルマに、心配してたんだよ、と心の中で呟く。


「どーしたの、今日元気ないね」


「……え？」


カルマは私をじっと見つめる。
『転勤』って言葉を思い出して、思わず目をそらしてしまった。

なんでわかっちゃうかな。

別に何も変じゃないと思うけど。


「なんか、ツッコミにキレがない」


「知るか、もういい帰る」


カルマは、あっ戻った、なんて笑ってる。

大好き。

やっぱり離れたくないなあ……。

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