・ ページ22
·
Fukazawa side
過呼吸寸前というか、ほぼ過呼吸だったAは、思いのほか早く落ち着いた。
何があったかなんて、聞かなくてもわかる。
……Aがあんなに翔太のことを気遣っているのだって、その理由までわかってる。
……別れさせたかった、わけじゃないんだ。
でももう見ていられなかった。
いつも俺に頼ってくるA。その内容は様々だったけれど、毎回言っていたことがあった。
『翔太には、言わないで』
『……心配かけたくない』
『好きな人の前では、ずっと綺麗な私がいい』
悩んでいる時だって、俺に相談する時だって……いつだって、こいつは翔太のことばかり考えてた。
好きで好きでたまらなかった。
だからこそ、頼れなかったのだ。
それを知っていたから、翔太に、あんなことを言った。わかった上で、もっとAを見てあげて欲しいと。
……でも、ごめん。
俺は的はずれなことをしたのかもしれない。
深「翔太、本当にごめん。……俺のせいだ」
舘さんと二人で並んでベンチに腰掛ける翔太にそう言うと、俯いたまま首を左右に振った。
渡「……A、大丈夫だった？」
深「さっき落ち着いた。……ずっと一人になりたがってたからさ、一旦離れてこっちに来たの」
シンとした空気が流れる。
気まずくはなかった。自分の気持ちで精一杯だったから。
渡「……俺らさ、そのままにしておいたってきっと上手くいかなかったと思う。当分立ち直れねーけど、でも多分、これで良かった」
渡「俺じゃ、あいつ幸せに出来ないし」
これが良い選択なのか、誰にも分からなかった。
好き同士なのが分かってて、それでも別れるという選択を選んだ翔太。そんな翔太の、空虚な叫びが、頭の中に響いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1277人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こおり味(プロフ) - 美紀さん» 美紀さんコメントありがとうございます！ありがとうございます！これからもぜひよろしくお願いします！ (2020年8月11日 22時) (
レス) id: 49b60161ce (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年8月8日 20時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こおり味 | 作成日時：2020年8月1日 19時
