もしもヒーローになれたら ２

♪ブレーメンの音楽隊 ページ5

ふっかside

今日はオフ！ ずっと忙しかったからね。
新しく始まった朝のレギュラーもコツ掴んできたし、

余裕と腕が鈍らないうちにゲーセンへ。

トイ「まーた辰哉、クレーンゲームすの」

深 「康二にブログに書かれたのが悔しくて・・・」

ちょっと前の康二のブログで、
クレーンゲーム手こずったの暴露されたんだよね。
アレは、俺も悔しかったよ！

トイを連れて来てるのは、単純に景品あげたいから。
バレたらしゃべるぬいぐるみだって言えばいいし。
俺の武器の香水を普段使いしてるから、
万が一サドネスが来たら駆けつけられるように。

トイ「辰哉、取りすぎすの」

深 「出禁になってないからセーフ！」

今日の収穫は絶好調！ 証拠に、佐久間の嫁も取れた。
外に出たら、目の前の人だかりが何か違和感。
行列にいる人達が、なんだか生気が感じられない。

トイ「サドネスの行列すの」

よく見たら、先頭と最後尾のヤツの手には笛が。
人の合間に動物がいるんだけど、何の意味があるんだ？
ロバ・猫・犬・ニワトリ・・・
コレ、アレだ！ ブレーメンの音楽隊。

トイ「ちょっと辰哉、行列に向かってるすの」

考えてたら、足が勝手に行列に向いてた。
気付いてからでは遅かったのか、進めた足が止まらない。

深 「どーすりゃいいのさ！？」

トイ「意識をしっかり保つすの。
気持ちが折れたら、サドネスの思うツボすの」

幸い、俺の意識はハッキリしてる。
潜入してるのがバレないように、ヒソヒソ声で話す。
こっそり香水を仕込んで、匂いでなんとか乗り切る事に。

しばらくそのまま歩いてたら、怪しげな洋館に入ろうとしてた。

トイ「あの中入る前に、何かしないといけないすの！」

深 「そうだ！ このビン、割っちゃマズイ？」

トイ「形はなくなるけど、またフレームなぞれば出るすの」

俺は、一か八かの賭けに出る。
武器の香水ビンを割って、匂いで正気に戻そうとした。
阿部ちゃんが前に言ってたんだよね。
五感の中で、匂いの情報は直接強く伝わりやすいって。

パリーン！ 割った瞬間、その場はパニック！
正気に戻った人達が混乱する中、空からまさかの助け船。

佐 「ふっか見つけたー！ 助けに来たぞー！」

佐久間と阿部ちゃんに分かれて、メンバー全員連れて来た。
ココからは、俺らのターンでいいよな？

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