家政婦の雪 (ページ3)

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■逃げ出した１日ページ3

Aside

次の日、重い足取りでフランベルジュへ向かう。
今日も黒瀬さんいるし、昨日あんな事になったからなー？

店の裏口を開けると、なぜか入口に店長が立っていた。

店長「Aくん、朝来たばかりでごめんね？
申し訳ないが、今日はコレに着替えてほしい」

店長から、予備のコック服を渡された。

A「・・・何かあったんですか？」

店長「ちょっと美優くんがね。今、事務所にいるんだ。
荷物なら、今日はココに置いてくれて構わないから」

昨日あの後、何かあったんだと思った。
疑問に思いつつ着替えて厨房に行くと、
先に持ち場にいた人から目線を感じた。

スタ「おはようございます、Aさん。
朝騒がしかったけど、大丈夫だった？」

A「あー、なんとか今は・・・？」

パー「昨日の入れ替え時でしょ？大変だったね」

すでに何人かは、うっすら話を聞いているらしい。
詳細を店長から聞いていないので、
朝何が起こったかの話は言えなかった。

A「すみません、ゴミ捨て行って来ます！」

満タンのゴミ袋を抱えて、裏口へと向かう。
ゴミ捨て場の扉を開けたら、中に驚くべき物があった。

A「コレ・・・私のコック服」

ゴミ袋の中にあったのは、ズタズタになった私のコック服。
黒瀬さんに、ロッカー漁られたのがわかった。

店長「Aくん！・・・見てしまったか」

店長の声で振り向くと、店長と悠希くんがいた。

悠希「Aちゃん、本当にごめん！
僕がハッキリ言えてれば、こんなにヒドくは・・・」

A「ううん、悠希くんのせいじゃないよ。
店長、すみません。今日は早退していいですか？」

店長「今まで気付けなくて、本当に申し訳なかった。
店も少し荒らされてね。しばらく休むしかないかな」

黒瀬さん、そんなに私の事嫌ってたんだ。
しかもまだ迷惑かけるなんて・・・

直接会う事はなかったものの、ずっと怖くて仕方なかった。
また私服に着替え直して、静かに店を去った。