家政婦の雪 (ページ2)

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■絶望の始まりページ2

Aside

午後の工程も終わり、コック服から私服に戻ろうとした。
自分のロッカーの前で絶句した。

A「なんなの、この写真」

私のロッカーに貼られた写真。今日の昼の物だ！
店長に美味しかったって、評価もらった時。
悠希くんに声かけてもらった時。
裏口で１人泣いてた時。

・・・コソコソ撮影するなんて、あの人しかいない。

美優「どう？アタシが撮った写真。
かなり上手く撮れた自信あるんだよねー」

やっぱり黒瀬さんだ。
私と黒瀬さん以外、今は誰もいない。

A「お疲れさまです。あの、私何かしましたか？」

美優「それはこっちのセリフよ？雪城。
店長と大村くん、２人も手玉に取って楽しい？」

真実を聞いて愕然とした。こんなのとばっちりだ。
職場恋愛なんて、今の私には考えられない。
料理を作るのが好きで、食べたお客さんに喜んでもらう。
今はそれで充分だった。

A「それ、勘違いしてますよ？
黒瀬さんが思ってるような事、今は考えられません」

美優「今は！？じゃあいずれは、狙ってるってワケね？」

黒瀬さんの言いがかりが激しくなった。
これ以上は危険と判断し、荷物をまとめて帰る。

美優「黙って帰るんだ？認めるのね」

黒瀬さんの高笑いを背に、急いで車に乗って帰った。