消えそうなその姿 ページ38
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Mukai side
向「お疲れ様でしたー、！」
Snow Manの単独コンサートが終わり新橋演舞場で行われる滝沢歌舞伎の前日へとなっていた。
そして俺はまだ残ってくれているスタッフさんに挨拶をして、帰ろうとしていた。
向「…あれ？A？」
すると客席の1番後ろからステージを眺めるAを見つけた。
そういえば関西のときも最後まで残ってたのはAやったなぁ。
向「おーい！A〜、！」
Aに気づかれたくて、少し大きめの声を出して手を振ると案の定Aは気づいて手を振り返してくれた。
そんときに口パクで、うるさいなんて笑われたけど気にしない、笑
「お疲れ様、康二」
向「Aもお疲れ様」
Aのいる所にいけば顔を見てお疲れ様と言われた。
そして俺もお疲れ様と返す。
向「A、ここで何してるん？」
「…おれさ、客席からステージ見るのすごい好きなんだよね」
「お客さんの目線になっておれらがどう見えてるかとか、こういう気持ちなんだろうなって思うと元気出るんだよね」
Aは俺とは目を合わさずにステージだけを見つめそう言った。
Aのその目には何が写っているんやろか…
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ステージはAに何を写したのだろうか。
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向「…A、」
「そーいえば康二この近くの桜見た？」
向「…ぇ、見てない」
「めっちゃ綺麗だよ、夜にはライトアップされてるし見てくるといいよ」
出た。
空気を悪くしたと思ったら直ぐに話を逸らすくせ
直ぐに話を逸らすから俺は聞きたいこともなにもかも聞けていない。
それに加えAは秘密主義者やから自分のことは話さない。
出会った当初に比べればそれは各違いやけど、まだ俺らにはどこか見えない透明の壁がある気がする。
やから俺は、
向「ならAも一緒に行こうや」
「え？おれも？」
向「おん、俺最近東京来たばっかやしいまいち場所分からんもん」
「……そっか、なら一緒に行こっか」
ずるいやり方をさせてもらう。
そんなAのその目は揺れていた。
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その桜があるというところまでは演舞場から歩いて行ける距離やから歩いていくことになった。
「康二、こっちには慣れた？」
向「ん〜、なんか微妙やな」
「んは、それもそっか。でもみんないい人達でしょ」
向「おん、それはほんまに感じるわ、みんなええ人すぎる」
歩いている間、Aが話を降ってくれてそこから話を続ける
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作者名：suger | 作成日時：2022年2月19日 12時
