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Meguro seid
目「え、水っすか」
「うん、だめ？」
そう俺を見つめるAくんはあのあざといと言われる阿部くんと同じ、もしくはそれ以上にあざといと思った。
目「全然買ってきます、買わせてください、！」
「ふふ、ならおねがいね？」
目「っはい！」
俺は返事をすると部屋を出た。
扉が閉まりかけたとき、部屋の中から電話がなってAくんの顔が曇ったのは気のせいにしとこうと思う。
目「えっと部屋は…」
水を買い終わり部屋のドアノブに手をかけた瞬間、俺の手は止まった。
「…きっとあいつらは、おれのこと信じてるから」
耳にスマホを当てて電話をしているAくんは少し寂しそうな顔をしたあと、
「だから絶対に"おれ"のことは深掘りしないようにするのと…、」
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"春川A"については知られないようにしないとね"
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…どういう意味だ…、？
春川Aについて知られないようにしないと…？
Aくんは、何をしてるんだ…？
Aくんに対して、そんないくつもの疑問が浮かび上がり、いくつもの不安と心配、そして"嫌悪感"が俺の心を埋めつくした。
「うん、また連絡するね」
そう言って電話を切ると、"目黒、入ってきていいよ。"とAくんの声が聞こえた。
目「Aくん…、」
「ねぇ、目黒。今の話どこから聞いてた？」
恐る恐る俺は部屋に入ると、先程とは違いピリついた空気が俺を襲った。
そして、その空気の理由でもあるAくんは俺にそう質問をした。
目「…電話を切った時に、俺はここに着きました」
普段だったらそんな嘘をつかないのに、この部屋の空気、
そして、Aくんに圧倒されてしまった俺はバレるであろう嘘をついた。
「そ？ならいいけど」
そうAくんは言うと俺に微笑んだ。
俺は、そのAくんの笑顔を"初めて"、
怖い。
そう思った。
「さ、目黒はもう帰りな。明日仕事でしょ？」
目「あ、はい。」
「ん、なら帰りな、水ありがと」
目「失礼します、」
俺はAくんに一礼をすると部屋を出た。
目「止まるわけにはいかない、か。」
俺が呟いた一言は、暗闇の中に消えていった。
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作者名：suger | 作成日時：2022年2月19日 12時
